研究課題/領域番号 |
25293453
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浅野 みどり 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30257604)
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研究分担者 |
石井 真 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (70338002)
山口 知香枝 名古屋市立大学, 看護学部, 講師 (70514066)
山田 知子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80351154)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アレルギー / 小児看護ガイドライン / SDM / チーム医療 / セルフケア / 家族看護 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
子どもと家族が安心・安全な医療を納得して受けるため、子ども・家族と医療チームとのShared Decision-making (以下SDM)に基づく小児アレルギーケアガイドラインを開発することを目的とし、「SDMのための小児アレルギー看護ガイドライン試案」(対象の属性を含む100項目)を作成した。本試案を用いて、小児アレルギー外来をもつ医療施設に勤務する医師、看護師、および、Pediatric Allergy Educator(看護師・薬剤師・栄養士)を対象にデルファイ法(全3回)による無記名アンケート調査に着手し、第1回目デルファイ調査調査を開始した。 なお、この試案は第1段階の研究(承認番号2013-0194)で、小児アレルギーの外来診療における看護職の実践や役割の現状を医師・薬剤師・栄養士等を含めた多職種への面接調査・フォーカスグループインタビューなど質的研究により多様な視点から、看護実践の重要な要素を抽出した。この質的研究に基づき、研究グループでSDMを促進するために必要なコア概念として「目標共有の為のコミュニケーション」「疾患と治療の理解」「セルフケア支援」「日常生活の把握」「意思決定支援」「役割認識と連携」の6つを見出し、重複概念/項目を整理し、93項目にまとめた。専門職のデルファイ法による無記名アンケート調査によりガイドライン項目を精選し、SDMに基づく納得の医療を創る看護実践のコアとなる要素として一定のコンセンサスを得たケアガイドライン案にまとめる。本ガイドライン試案は、①SDMに基づく小児アレルギー看護共通項目、および②アレルギー3疾患別看護(気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー)項目により構成されたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者は、期間中にリーディング大学院プログラム執行委員に就任、ならびに、副学科長(平成27年度〜)を拝命するなど、予測し得なかった本務にも従事することとなった。そのため、業務多忙により本研究に十分な時間を割くことが難しくなった。さらに、本研究第1段階の面接調査データの質的分析に時間を要したことから、第2段階のデルファイ調査用質問紙作成が遅れてしまった。そのため、予定していたデルファイ調査(全3回)を期間までに終了することができなくなった。 しかしながら、平成27年12月には質問紙調査原案を完成させ、平成28年3月にはデルファイ調査の第1回目に着手することができた。したがって、今年度中には予定のデルファイ調査(全3回)を終了し、納得のためのSDMに基づく小児アレルギー看護ガイドライン(案)を完成できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
回収サンプル数300を目標としたデルファイ調査(全3回)の第1回調査を3月から開始し4月末で終了する。この結果をデータ分析(統計ソフトSPSSによる記述統計、属性による回答傾向の相違の検討)により、質問項目の精選(同意率0.7以上を予定)実施する。また、因子構造・因子的妥当性の確認(因子分析、信頼性係数の確認)を行う。因子分析の結果により因子構造を確認するとともに、各項目の同意率を確認し、7割程度の同意率を基準として項目の精選を行う。精選された項目による第2回調査を6月〜7月に実施、その後、同様に第3回目の調査を9月〜10月に実施予定である。最終分析結果から、「小児アレルギーケアガイドライン」を完成させる。現在の試案項目は、a. 対象の属性:性別,年齢,職種,医療機関のタイプ等(6項目)、b. SDMのための小児アレルギー看護ガイドライン試案(93項目)c. その他 自由記載(1項目)であるが、最大60項目を目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
第1段階のインタビューデータ分析に予定よりも時間を要したことから、ガイドライン試案の項目抽出が遅れた。その結果、第2段階のデルファイ調査に着手する時期が遅くなり、研究が当初の予定より遅れているため
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次年度使用額の使用計画 |
デルファイ調査(第2回、第3回)費用として、印刷費、郵送費、Web調査の委託管理料およびデータ解析に係る費用として使用する。 研究成果報告のため、学会発表の旅費および成果物公表の印刷費として使用する予定である。
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