研究課題/領域番号 |
25293458
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (70297068)
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研究分担者 |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10213555)
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (70157056)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ドメスティックバイオレンス / ウィメンズヘルス / コホート / 虐待 / 周産期 |
研究概要 |
平成25年度は、DVの長期的影響の明確化を目的とした前向きコホート研究を行う準備として、文献検討および測定用具の検討を行った。文献検討から、DVスクリーニングツールに関するシステマティックレビュが3文献抽出された。システマティックレビュは、英国1件、米国2件であり、これらのレビュからHITS、STaT、WASTの3つのルーツが正確度および信頼性・妥当性の側面から質が高く使用が推奨されていた。本研究にて使用予定の日本語のDVスクリーニングツールであり7項目で構成される女性の暴力スクリーニング尺度(VAWS)の再検討を行った。HITS、STAT、WASTなどのツールから精神的暴力を示す項目を新たに加え、量的および質的分析から改訂版VAWSの開発を試みた。その結果、身体的暴力1項目、精神的暴力2項目、性的暴力1項目で構成される4項目の改訂版VAWSが提案され、2点がカットオフ値とされた。さらに、改訂版VAWSの正確度、信頼性・妥当性の検討を行った。改訂版VAWSの正確度は、日本語版ISAを基準にすると、感度60%、特異度94.8%、陽性的中率42.9%、陰性的中率97.3%であった。原版VAWSを基準にすると、感度41.2%、特異度100%、陽性的中率100%、陰性的中率87.6%であった。信頼性を示すCronbach's αは、0.70であった。提案された4項目の改訂版VAWSを用いてコホート研究を進めることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度から開始する予定の前向きコホート研究の準備として、使用する尺度および測定時期について検討することができた。研究の準備段階としては、研究協力施設の選定と依頼、協力施設での連携研究者を含む研究体制を整える必要がある。平成26年度の前半で、これらを完了し研究倫理審査の承認を受け、データ収集に入る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前向きコホート研究は、データ収集が長期に渡り、その間できる限り脱落を減らす努力が必要である。そのため、研究協力施設の選定と依頼について、十分な説明と検討を重ねる必要がある。そのプロセスを丁寧に行っていくことが今後の研究推進につながると考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加学会にて旅費が予定よりもかからなかった。また、購入予定であったPCなどの物品費の支出が予定よりも低額であったためである。 平成26年から行う前向きコホート研究では、予定よりも人件費の支出が必要となるため、人件費として使用する。
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