研究課題/領域番号 |
25293458
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 看護学研究科, 教授 (70297068)
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研究分担者 |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10213555)
堀内 成子 聖路加国際大学, 看護学研究科, 教授 (70157056)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / ウィメンズヘルス / コホート / 虐待 / 周産期 |
研究実績の概要 |
妊娠期女性とパートナーのDV経験と乳児虐待の関係性を明らかにする研究について結果、考察を行った。研究方法は、分娩後に入院中の女性(母)505名、パートナー(父)501名を対象に、子の出生1週間後(T1)、1ヶ月後(T2)、3ヶ月後(T3)に質問紙を配布した。測定した概念は、女性とパートナーの属性、怒り、健康、睡眠状況、子の属性、泣き、周産期異常、パートナー間の関係性の愛着スタイル、DV経験、親子間の関係性のボンディング、乳児虐待だった。分析では、仮説A「父母それぞれの乳児虐待に影響する要因の構造は異なる」、仮説B「父母の乳児虐待に影響する要因の構造には相互作用がある」に沿って、構造方程式モデリングにより「乳児虐待に影響する家族内の要因モデルA」と「乳児虐待に影響する家族内の要因モデルB」を探索した。 その結果、乳児虐待と有意な相関(r > .4、p < .001)がみられた変数は、睡眠障害、DV経験、ボンディング障害であった。これらと乳児虐待の構造について、仮説AとBに沿ってモデルAとBが導かれた。モデルA(Comparative Fit Index [CFI] = .920)では、父母の多母集団同時分析によるモデル比較を行い、父母ともボンディング障害(T1)が乳児虐待(T2)に影響し、父のみDV経験(T2)が乳児虐待(T3)に影響した。モデルB(CFI = .946)では、母のDV経験(T1)が父のDV経験(T2)に影響し、父のDV経験(T1)も母のDV経験(T2)に影響した。父母の乳児虐待(T2)に影響したのは母のDV経験(T1)のみだった。モデルAとBに共通したのは、父のDV経験(T2)が父の乳児虐待(T3)に影響を与えた点と、乳児虐待(T2)が乳児虐待(T3)に影響を与えた点であった。 さらに、妊娠期女性のDVとシングルマザー等社会的要因との関連も検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は終了し、学会発表等による公表は行ったが、論文化する作業が遅れている。その理由として、データ分析が複雑で時間を要したこと、結果の解釈について様々な分野の専門家からの意見を必要としたことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究の論文化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析と解釈に時間を要したため、今年度内に論文化が間に合わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究は終了しているので、論文化を進める。
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