研究課題/領域番号 |
25293460
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
諏訪 さゆり 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (30262182)
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研究分担者 |
藤田 伸輔 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20268551)
朝田 隆 東京医科歯科大学, 医学医療系, 教授 (90184142)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 在宅 / BPSD / 薬物療法 / 支援指針 |
研究実績の概要 |
在宅認知症高齢者の薬物療法の支援指針に関する実践状況と重要性について、全国の日本認知症学会認定の専門医と日本老年精神医学会認定の専門医、さらにはA県内の認知症疾患医療センター、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、在宅医療実施薬局、認知症ケア専門士、認知症サポート医、かかりつけ医のための認知症対応研修終了者の全数を対象として、合計3207名を対象に郵送法による調査を実施した。そのうち830名からの回答が得られ、有効回収率は25.8%であった。 回答者の職種の内訳は、医師548名、看護師129名、介護支援専門員102名、薬剤師57名、介護福祉士55名、社会福祉士33名等であった(ただし、複数回答)。また、医師のうち、認知症を診療する専門医は386名、認知症サポート医は196名であった。回答者の認知症の人への在宅医療・ケアの経験年数は12.30±8.71年であった。 支援指針の【薬物療法決定前:家族介護者によるかかわりの実情の確認と支援】【向精神薬による精神症状・行動障害の治療の必要性の確認】【向精神薬による治療時の留意点の共有】【一元的で最小化された処方の推進】【服薬支援体制の必要性の確認】【日々の服薬を支援するためのケアマネジメントの実施】【認知症の人にいつもとの違いを感じ取った時の連絡体制の確認】【服薬に関する困難の解決策の検討】【薬物療法に関するモニタリングの必要性の理解と共有】【向精神薬の中止や減量を判断するポイントの確認と認知症の人の不安への支援】【専門医受診の必要性の検討】【糖尿病を有する認知症の人への服薬支援の留意事項】【パーキンソン症状を有する認知症の人への服薬支援の留意点】のいずれのケア内容について、概ね70%程度の者が重要だと回答した。しかし、「いつも実践している」と回答した者は30~40%程度にとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支援指針の最終版の作成が未だ途中であり、そのため、実践において適用して支援指針の効果を検証するまでに至っておらず、在宅認知症医療・ケアの専門職と事前打ち合わせをするなど、準備を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は支援指針の最終版を確定し、早期に在宅認知症医療・ケアの専門職に実践での使用を依頼し、BPSDの発症・緩和状況、薬物の処方内容の変化などのデータを収集することで、支援指針の効果を検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
在宅認知症高齢者のための薬物療法支援指針最終版の確定が遅れている。そのため、実践での効果検証も今後の実施となるため、次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度7月~12月にかけて、在宅認知症医療・ケアの専門職に支援指針の使用を依頼し、BPSDの発症・緩和状況、専門職の実践内容(多職種間の連携も含む)の変化等のデータを収集して、支援指針の効果を検証する。
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