研究課題/領域番号 |
25293463
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 雅美 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (50293808)
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研究分担者 |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10636062)
木村 洋子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (40280078)
田中 浩二 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (40507373)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | うつ病者 / 自殺予防 / 感情調整療法 / ナラティブアプローチ |
研究実績の概要 |
本研究は、感情調整療法を試みながら面談し、双方向の会話内容を対象の許可を得て録音し「語り」に潜む自殺念慮につながる「こだわり」と「エネルギー消費方法」に関連する「行動」を抽出し、毎回のセッションにおける変化を対象の改善状況に合わせ3段階に分けて分析する手法を取っている。26年度は研究参加の承諾を得た対象者(オーストラリアと日本の対象者)のデータを収集し、その内容を3段階に分けて分析した。 感情調整療法による対象の変化については、先行研究でナラティブアプローチによるうつ病者の自殺念慮の改善について、対象者のセッション回数に個人差があるため、そのプロセスを到達度によって3つの段階(第1ステージ:さまざまなうつ症状,怒り,失望,こだわりが強く、誤った考えと行動化による自殺念慮、自殺企図を起こすことが想定される時期 第2ステージ:自分の行動に自責感を生じつつ、こだわりが強いことを自覚していても、改善されていない時期や、自己洞察と葛藤が生じ、最も不安定で感情の変化が生じやすいが、次のステップに移行する重要な時期 第3ステージ:自分のこだわりをチェックし、こだわりが自分にとって有害であることを理解し、大切なこと、必要なことにエネルギーを注ぐことができる時期)に分けて検証したほうが、介入成果を評価しやすいことがわかった。そのため、3段階の到達度別に分けて、介入の成果を対象者毎に分析した。その経緯について、海外の学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度は、オーストラリアのデータの収集を終え、わが国のデータとすり合わせを行い、研究者間で協議した。そこから用語の統一や、邦訳に伴う確認作業を行い、内容の整合を図った。データを3段階毎に整理したが、最終段階でもまだ自殺念慮のとれないケースもいくつかあり、また分析プロセスで本研究の目的と合致しないような(例えば、薬物療法による変化と思われる)ケースは除外した。まだまだ分析内容が不十分なので、今後はさらに内容を掘り下げて結論を出したい。途中経過について、ウイーンでの国際学会およびシアトルでの国際学会で発表した。次年度は、内容の分析を深め、論文作成に進みたい。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集は終了したので、内容の分析を深め、研究成果をまとめて論文に仕上げたい。また内外の学会で研究成果を発表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度研究者間での打ち合わせのため、海外出張を予定していたが、大学の用務と重なり実施できなかったため、その予算を次年度に継続する。
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次年度使用額の使用計画 |
オーストラリアにおいて研究者間での打ち合わせに係る旅費や、国内外での発表に係る旅費及び、消耗品等の購入等に使用する。
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