研究課題/領域番号 |
25293464
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
堤 雅恵 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80280212)
|
研究分担者 |
野垣 宏 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10218290)
清水 慶久 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80403674)
小林 敏生 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (20251069)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 快刺激 / 睡眠 / 自律神経 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,前年度に実施した実験結果を2つの学会で発表した.健康な20歳代の男性12名(平均年齢22.2±1.7歳)を対象として,森林映像+自然音および海映像+自然音を内容とするDVDをそれぞれ1回90分間視聴し,視聴中に,GMS社製心拍変動リアルタイム解析プログラムMemCalc/Tawaraを用いた心拍変動およびAspect社製BISモニタQE-910PによるBIS(Bispectral Index System:催眠深度測定指標)を測定した.その結果,嗜好性の高い方の映像視聴において,他方の映像視聴と比較して心拍の低下やHF(High Frequency:副交感神経の活動指標である高周波成分)の上昇,BIS値からみた覚醒レベルの維持を認めた.本研究の結果から,リラクセーションを目的とした映像視聴に,対象者の嗜好性を考慮することが重要と考えられた.現在,この結果を英語論文にまとめ,学術誌に投稿する準備を行っている. さらに,平成26年度は,対象者を中高年齢層に拡大し,8名を対象にして第2回実験を行った.この実験では,病室映像や対象者が暮らしてきた時代において懐かしいと感じる映像を新たな刺激材料として用いた.この実験の位置づけは,今後,臨床応用として施設入所後や手術後等におけるストレス緩和を目指す手法の一つを開発するための基礎的検討である.得られたデータは現在解析中であり,結果の一部を平成27年度内に国内学会で発表する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎的検討が概ね終了し,平成27年度から臨床応用を試みる見通しとなったため.
|
今後の研究の推進方策 |
第2回実験の結果分析を急ぐとともに,高齢者を対象とした実験に向けての環境を整える.具体的には倫理審査のための計画書作成への着手および調査先の選定を行い,スムーズに高齢者を対象とした実験に移行できるようにつとめる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
文具の支出額が予想よりも少なく,また,研究打ち合わせを学外分担者の所属機関で実施したことから,旅費の支出がなかったため.
|
次年度使用額の使用計画 |
実験結果を臨床応用するための旅費として使用する予定である.
|