研究課題/領域番号 |
25293468
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (80238443)
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研究分担者 |
千吉良 綾子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (20633415)
中山 優季 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 主席研究員 (00455396)
亀井 延明 明星大学, 理工学部, 教授 (20233968)
東福寺 幾夫 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (30383144)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | テレナーシング / 慢性疾患 / 看護プロトコル / ガイドライン |
研究概要 |
研究目的は、1.タブレット型PCを用いたテレナーシングシステムを開発するためのシステム仕様書を作成すること、2.仕様書にもとづき、旧システムにおける患者向け端末のOSをWindowsからアンドロイドに、形状をデスクトップ型からタブレット型に置き換えるための予想されるシステム構築上の課題や問題点を明確にすること、3.これまでに開発したテレナーシング実践ガイドラインについて、その開発経過を国際学会で発表し、研究成果を公開すること、4.看護師、保健師等を対象に、テレナーシングを普及するための研修会を開催し、プログラム評価を行うことである。 その結果、1.テレナーシングシステム仕様書をもとに、タブレット型PCによるテレナーシングシステムの実現可能性を探り、何点かの課題を明確化した。その内容は①アンドロイドOSのバージョンによって、OS機能の一部であるBluetoothの健康機器向け通信ライブラリの対応に問題があること、②continuaに対応した開発キットの一般的な開発使用には制約があること等であった。各タブレット型PCとの組み合わせの検討を行ったが、いずれにも課題があり、タブレット型PCと無線通信によるテレナーシングシステムを完成するには至らなかった。 2.国際遠隔医療学会において、テレナーシング実践ガイドラインの開発経過を発表し、参加者との意見交換を行った。ガイドラインの英語版の作成について検討してはどうかとの助言を得た。3.テレナーシング実践ガイドラインを公開し、テレナーシングの普及を図った。4.テレナーシング実践セミナーを2回開催し、計37名の参加者を得た。参加者からは、テレナーシングの実際を理解できたと評価され、プログラムの参加満足度(0~10のVAS)は平均9.0(SD1.1)点であった。研修会のプログラム内容とテレナーシングの今後の展開に肯定的な評価を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、タブレット型端末を用い、無線通信による血圧データ等の取り込みによる患者用端末の開発を委託した業者とともに共同開発をすすめていたが、タブレット側とBluetooth間の課題が大きく、完成するには至らなかった。そのため、多様な観点からシステム開発方法を見直し、Bluetoothによるシステム開発とサーバ開発を再度検討することになった。また、この影響により、患者調査を開始することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1.タブレット型PCによるテレナーシング開発:ライブラリの提供を受けることができる新規業者との話し合いを開始しているため、テレナーシングシステムのタブレット型PCと無線通信の部分については、ただちに開発を進行していく。 2.患者調査:試作版のテレナーシングシステムが完成した段階で、在宅患者を対象とした試用調査を開始する。その後システムの改修を行ったうえで、在宅患者を対象とした本調査を開始する。評価項目は、修正増悪の発症、利用上の課題などである。 3.テレ―シングプロトコル開発:プロトコルの開発を行うため、文献検討に加え、豪州のテレモニターセンターの視察を行い、初期の面接、インテーク、増悪の判断、看護師の意思決定などについて情報収集を行い、わが国のテレナーシング実践に利用可能なプロトコルの開発を行う。 4.テレナーシング文献のシステマティックレビューを行い、エビデンスに変更があれば、ガイドラインの改訂を行う。 5.本研究成果を普及するため、テレナーシング実践セミナーを開催する。その上で参加者からのプログラム評価を受け、必要なプログラムの修正を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
タブレット型PCによるテレナーシングシステムの共同開発を行っていたが、無線通信の課題が解決できずに開発が完了しなかったため、予定していた委託費用の支払いを行わなかった。そのため次年度使用額が生じた。 次年度において、タブレット型PCによるテレナーシングシステムの共同開発を行う新規の企業が見つかったため、システム開発費をそのまま次年度のシステム開発費として使用する計画である。
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