研究課題/領域番号 |
25293468
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (80238443)
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研究分担者 |
中山 優季 公益財団法人東京都医学総合研究所, その他部局等, 研究員 (00455396)
亀井 延明 明星大学, 理工学部, 教授 (20233968)
千吉良 綾子 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (20633415)
東福寺 幾夫 高崎健康福祉大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30383144)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | テレナーシング / 慢性疾患 / 看護プロトコル / ガイドライン |
研究実績の概要 |
今年度は、タブレット端末を用い、血圧、脈拍、経皮的酸素飽和度、体重、歩数などをBluetoothにより無線化し、これまでと同様に問診-回答によるテレナーシングシステムを構築した。システムの概要は、患者がプログラムの指示に従い血圧等を測定すると、無線通信によりデータが自動で入力される。続いて問診に回答し内容をサーバに送信すると、データがインターネット上のサーバに格納される。この際、サーバ上でデータの自動トリアージが行われ、担当テレナース等にメール通知が行われる。データはIDを付与されたテレナース等が閲覧することが可能で、必要時にはテレビ電話によるモニタリングも実施可能なシステムである。 これを健常成人に60日間試用してもらい、自宅においての血圧などの計測とデータ取り込み、および問診項目へのタッチ回答、送信テストを行い、システムや送受信に支障がないことを確認した。次に、慢性疾患で在宅療養している高齢患者2名(69歳男性、80歳男性)に導入し、試用を継続中である。課題として、高齢者では、タブレット端末のタッチパネルの操作に支障が生じやすく、画面のスワイプや軽く触れる操作が困難である者があり、画面遷移が正常に行えない現象が生じることが観察された。一方、療養の意識面では、歩くことに関心が向き、歩数計の数値を目安にするなど、療養に積極的となる姿勢が認められた。また、担当医からも患者が積極的になり、孤独な状態の高齢者を社会につなげるテレナーシングは、老人医療に多大な貢献となるかもしれないと評価する意見が上げられた。 また、豪州遠隔医療学会に参加し、諸外国の遠隔医療の課題として、プロトコル作りが必要であることを収集することができた。過去のテレナーシング記録をもとに、テレナーシングのプロトコル作成を開始するために、文献収集を行い、作成するプロトコルの項目と内容をまとめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タブレット端末を用いて血圧、脈拍、経皮的酸素飽和度、体重、歩数などのデータをBluetoothにより無線で取り込み、さらに問診-回答項目を組み込むテレナーシングシステムを構築することに予想以上に多くの時間が必要であった。業者との再三の打ち合わせと試用を繰り返しながら、今年度後半に完成に至った。そのため、完成したテレナーシングシステムを使用した慢性疾患在宅患者を対象とした試用調査の期間が短くなり、症例数が、当初の予定よりも少なくなった。また通信契約を伴うタブレット端末は、購入時に制約が多く、タブレットの台数を増やすことが困難であり、一度に管理できるタブレット台数は現在5セットに留まっているため、患者数を急激に増やすことは難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、患者調査を継続し、症例数を増やすこと、テレナーシングプロトコルの作成を進めること、プロトコルとガイドラインを普及するためにテレナーシング実践セミナーを開催して、内容の評価を行うことを推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費が予定額より下回ったため使用額に変更が生じたので次年度に持ち越す.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に使用する.
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