研究課題/領域番号 |
25293470
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 美砂子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (80239392)
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研究分担者 |
石丸 美奈(坪内美奈) 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (70326114)
飯野 理恵 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (40513958)
時田 礼子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (70554608)
杉田 由加里 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (50344974)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 予防活動 / 持続 / 実践ガイド / 地域看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、予防活動の持続・発展に向けて、保健師等の地域看護実践者が、自らの実践を評価し方向づけるために有用な、「予防活動の持続・発展のための地域看護実践ガイド」を開発することである。本研究期間の目標は、第1に地域看護実践ガイドの基となる地域看護技術項目の作成と質的検討、第2に全国の自治体保健師を対象としたデルファイ法による技術項目の量的検討、第3に地域看護実践ガイド案の作成と現場への適用・検証、第4に地域看護実践ガイドの普及・発信と総合検証、である。本年度は上記4段階の目標のうち第2段階に取組んだ。すなわち系統抽出法により選定した22都道府県の796市町村及び232保健所の新任期、中堅期、熟練期の保健師各1名(合計3,084名)を対象に、前年度作成した地域看護技術項目の原案4カテゴリ・11サブカテゴリ・65項目について質問紙を用いてどの程度役立つ内容であるかを問う調査を3回行った。1回目調査の回答者は901名(回答率29.2%)、2回目調査回答者は782名(1回目回答者からの回答率86.8%)であった。1回目及び2回目の調査結果から、「実践の理念の明確化に関する技術項目(14項目)」、「活動を持続・発展させる技術項目(34項目)」、「取組成果に関する認識形成の技術項目(12項目)」、「取組推進の拠り所の創出の技術項目(5項目)」の内容を研究者間で精査し、4カテゴリ・11サブカテゴリ・38項目に技術項目を統合整理した。それらの内容について3回目の調査を行い、現在集計中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目標4段階のうち、本年度は計画どおり、第2段階を達成でき、おおむね順調に進行していると自己評価できる。本年度実施したデルファイ法による調査の回収率は当初の予想を上回る回収率であり、返信を促すリマインダーはがきの送付や、後続する調査票郵送時の結果返却の工夫(調査対象とした新任期、中堅期、熟練期別の回答平均値及び個人の前回調査時の回答値を返信するなど)が功を奏したものと思われる。このようにして前年度まで質的に検討してきた技術項目に対して、本年度は、量的な検討を加えることができ、当初の技術項目65項目は、デルファイ法の2回目調査の段階で38項目に精選できた。現在集計中の3回目調査の結果に基づき、技術項目の内容や構成を、現場に有用なガイドという見地からさらに精査することができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、地域看護実践ガイド案を完成させ、実践現場への適用と検証を行う。まず本年度精査した地域看護技術項目の内容を現場で有用なチェックリストとして活用できるよう構成し、さらに各項目に実践上の活用方法についての解説を加え、地域看護実践ガイド案を作成する。次いで、研究参加協力の得られた保健師(新任期、中堅期、熟練期;計6名程度)に一定期間(概ね6か月)、地域看護実践ガイド案を用いて業務を遂行してもらい、実践への活用の実際及び業務の取組状況に対する「目的・目標」、「実践を展開する上での判断や行動」、「評価の視点」の各変化について意見聴取する。以上を通して地域看護実践ガイド案の活用成果、活用方法を検証し、修正を加え、さらに翌年度の実践ガイドの普及・発信に向けた精錬を行う。
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