研究課題/領域番号 |
25300001
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岩崎 えり奈 上智大学, 外国語学部, 教授 (20436744)
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研究分担者 |
柏木 健一 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (00447236)
加藤 博 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 名誉教授 (10134636)
松岡 延浩 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (80212215)
木村 玲二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80315457)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 灌漑 / 水 / アラブ / 持続可能性 / 共生 |
研究実績の概要 |
「持続可能性」は21世紀の世界を読み解く鍵概念の一つである。つまり,限られた資源状況と増え続ける人口のなか,いかに平和で安定した人間社会を作り出すかのデザインとアイデアが問われているのである。ところで,オアシス地方などのアラブ水稀少社会は,限られた資源状況の極限にある。したがって,それは「持続可能性」の原理を検討するのに格好な場所である。本研究は水稀少性社会のいくつかを事例研究の対象として取り上げ,灌漑耕作慣行を中心に,そこでの共生原理を学際的に明らかにすることを目的とする。具体的には、エジプトのナイル川流域と西部砂漠オアシス,チュニジア南部オアシスの村落でこれまで個別に行ってきた事例研究を水資源の分配に焦点を当てて現地調査を行う。また,他のアラブ地域との比較のため,天水に農業用水を依存するヨルダン北部農村も事例研究の対象とする。 以上の研究目的にしたがい、平成26年度においては、エジプト西部砂漠のダハラオアシスとチュニジア南部のケビリ・オアシスで調査をおこなった。研究・調査手順は以下からなる。 (1)灌漑・耕地デジタル地図の作成、(2)水資源管理体制の把握、(3)灌漑耕作慣行調査の実施、(4)農家調査の実施、(5)衛星データの収集と解析、(6)現場観測による農業と水利用にかかわるデータ収集と調査実施 以上の6つの研究・調査項目のうち、エジプトのダハラオアシスについては(2)(3)(6)を中心に行い、チュニジアについては(4)を中心に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
エジプトとチュニジアは、「アラブの春」後の情勢悪化のために調査実施の困難化が危惧され、実際、2015年2月から3月にかけて予定していた(6)現場観測による水利用にかかわる調査実施ができなくなるなどの問題に直面したが、無事に調査をすすめることができた。そのうえ、いくつかの分野においては予想以上に計画が進展した。 とりわけ、エジプト西部砂漠のダハラオアシスについては、(3)灌漑耕作慣行調査の実施と(6)現場観測による農業と水利用にかかわるデータ収集と調査実施のみを予定していたが、(2)水資源管理体制の把握についても行うことができた。また、(6)については2015年2月の調査が実施不可能になったものの、2014年8月から9月にかけての調査により、灌水量の計測を行うことができたことなど、貴重なデータを収集することができた。また、チュニジアについては、前年度から始めた農家調査を終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
11.現在の達成度で述べた進展状況を踏まえ、来年度においては、新たに、ヨルダンと下エジプト・上エジプトにおいての調査を行う。また、エジプト西部砂漠においては(1)~(6)において補足調査を行うとともに、分析作業を行う。とりわけ(6)については灌水量の把握を行うために実験圃場を増やすことを検討する必要がある。 チュニジアについては、今年度に完成した農家調査データの分析作業を行うほか、(5)衛星画像の収集と解析を行いたい。
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