研究課題/領域番号 |
25300022
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
月本 昭男 上智大学, 神学部, 教授 (10147928)
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研究分担者 |
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
小野塚 拓造 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, アソシエートフェロー, 研究員 (90736167)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地下洞穴墓 / 個人墓 / 家族墓 |
研究実績の概要 |
本研究は、①テル・ゼロール遺跡で発見された後期青銅器時代から鉄器時代の墓地遺構の整理と位置づけ、②古代イスラエル時代の墓制の探求、③周辺地域との影響関係、④それらをふまえた古代イスラエル時代の他界観の解明を研究目的に設定した。 本年度は、①に関しては、発掘報告書、大畠清編『テル・ゼロールI~III』(天理時報社1966、1967、1970) を中心に分析を進め、鉄器時代初期(前13~11世紀)のパレスチナ海岸平野部には土壙墓、石棺墓、甕棺墓が並存することをつきとめた。②に関しては、研究分担者津本英利氏と小野塚拓造氏に夏季休暇を利用して現地調査を実施し、考古資料を収集してもらった。③と④に関しては、研究代表者月本昭男が発掘報告書をはじめとする文献調査を実施するとともに、10月にそれらをふまえた予備論考「旧約聖書にみる墓制と他界観」を刊行した。そのなかで明らかになったことは、旧約聖書を残した古代イスラエル人は、海岸平野部の墓制とは異なり、地下洞穴墓を基本として、家族墓であったことである。それは「先祖の列に加えられた」といった旧約聖書の埋葬の記述が実際に家族墓を背景にしていたことを裏付ける結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
古代イスラエル関連の資料収集はほぼ終了しているが、周辺地域の死者儀礼に関する資料収集と分析が予定より多くの時間を必要としている。そのために、研究期間の一年延長を申請し、承認していただいた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに基本的な研究資料は収集している。延長を承認された今年度は、夏季休暇を利用して、これまでの計画に沿って研究を推進し、まとめに入る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
古代イスラエル関連の資料収集はほぼ終了しているが、周辺地域の死者儀礼に関する資料収集と分析が予定より多くの時間を必要としている。そのために、研究期間の一年延長を申請し、承認していただいた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度前期中に、イスラエル周辺地域の死者儀礼に関する資料を収集し、夏季休暇を利用して分析を行い、本研究の最終的なまとめに入る予定である。
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