研究課題/領域番号 |
25300027
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中川 眞 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (40135637)
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研究分担者 |
平田 オリザ 東京藝術大学, 社会連携センター, 教授 (90327304)
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20219033)
岩澤 孝子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40583282)
梅田 英春 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 教授 (40316203)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的包摂 / コミュニティ / アーツマネジメント / 共助 / ポストコロニアル / 国際協力 / ネットワーク |
研究実績の概要 |
H27では、アジアにおけるアーツマネジメント研究者・実務家のネットワーク形成にいっそう拍車をかけるべく、バンコクでの都市文化研究フォーラム、ジョグジャカルタでの都市研究フォーラム、マニラでのアジアアーツマネジメント会議といった国際会議の開催に尽力するとともに、各自は論文などの形で成果をとりまとめた。特に、フィリピンのアート状況については日本では深く知ることができず、事前調査と会議に参加することによって、協働の新たな地平が開かれた。 東南アジアに現れる問題群と諸活動は必ずしも日本のそれと完全に共通するものではないが、広い意味で社会的排除に抗する取り組みとして捉えられ、研究の国際連携の意義は大きい。本年度の調査過程では瞠目すべきアーツマネジメントの手法にも出会った。例えば、コミュニティを支える「共助」の組織を最大限に動員する方法であり、フィリピンでは少女買春などの子ども虐待に対してコミュニティぐるみで支援し、その過程で音楽や工芸の手法が取り込まれるなど、深刻な社会問題に対してアートを効果的に介入させている現場が数多くみられた。伝統的な社会関係資本を再活用して公共圏を確保する手法は、欧米発祥のアーツマネジメントをアジアに適用すべくカスタマイズするのではなく、アジア固有の慣習に基づくオリジナルなアーツマネジメントの形成可能性を示唆する。但し、アートが「便利」であるがゆえに、深刻な社会構造そのものの打開ではなく、とりあえずの「逃げ道」となる可能性も大きく、行政など何らかの公的機関との連携の必要性も明確となった。本研究は、地政学的な必然から生み出されてくるアジアの社会包摂型アーツマネジメントを体系化、確立することによって、この学問を生んだ欧米への人文・社会科学的な学術的応答となり得ていると自負する。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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