研究分担者 |
花田 富二夫 ノースアジア大学, 教養部, 教授 (00110205)
松原 孝俊 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20150378)
大庭 卓也 久留米大学, 文学部, 准教授 (20511661)
宮崎 修多 成城大学, 文芸学部, 教授 (30219761)
飯倉 洋一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40176037)
亀井 森 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (40509816)
川平 敏文 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (60336972)
久保田 啓一 広島大学, 文学研究科, 教授 (80186452)
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、アメリカ合衆国ホノルル美術館所蔵和本3,000点以上を含む約14,000冊を書誌調査し、その目録を作成することにある。著名な日本美術品蔵書家であった故リチャード・レイン氏旧蔵であるがゆえに、17世紀江戸時代文化の宝庫であると期待されていた。その予想通りに、(1)江戸時代以前から初期、中期、後期までの絵入版本を中心とした貴重書・新出書、更には異版本・改版・海賊版による出版の系譜研究--例えば「一休はなし」の異版本は30数点存在--だけでなく、(2)『伽草子』の江戸版、つまり寛文11年刊鱗形屋本13巻13冊の全巻揃いの完本の存在を確認し、その影印刊行、(3)富川房信画の「浅艸名物ゑづくし」、吟雪になってからの「四海吉例大福長」、画工無記の「箱根七湯奇瑞」など20数点の「小説年表」に未記載の青本・赤本の指摘などは、学会への適切な貢献となったはずである。 3年計画の初年度である25年度は、総数約700点の書誌データを収集すると共に、花田・木村両氏による初出資料の紹介という成果を残し、順調に調査終了した。26年度は、2度にわたる調査によって、絵本150点、漢籍130点、女訓物125点を含む約870点の書誌データを収集した。最終年度である27年度は、3度にわたる調査によって、浮世草子226点、諸芸209点、和歌121点、日本漢文101点を含む1381点の書誌データを収集すると共に、過去の調査分の内、再度確認が必要な資料について精査し、データベースの充実を計った。 笠間書院から近く刊行予定の『浮世草子事典』の項目の内、八文字屋本の『菜華金夢合』『野傾咲分色孖』については、本調査によってレインコレクションに所蔵されることが確認され、最新の所在情報を提供することができた。
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