研究課題
研究代表者が平成27年(2015年)7月に難病を罹患し、2ヶ月余の入院を余儀なくされ、退院後も経過観察が続いた。主治医の判断により、病状の急性増悪に対応できない恐れがあるため、外国出張を見合わせるよう指示された。このため、同年秋に予定されていた海外調査を延期せざるを得なくなった。ロシア国立歴史博物館(モスクワ)、およびエルミタージュ国立美術館(サンクトペテルブルク)において、マリタ遺跡から出土した彫像、および人骨・動物骨、関係資料を調査し、分析試料を採取、試料の分析を行う計画が実現できなくなったため、研究期間の延長申請を行い、翌年度に調査を実施することになった。これまでの研究期間中に調査を進め、試料採取した資料について、整理、分析を進めた。平成26年(2014年)1月にイルクーツク大学に収蔵されているマリタ遺跡から出土した資料について調査を行った。出土地点・層位が明確な1991年以降の出土物について分析資料を採取したが、これらについて、出土地点の確認、動物種、部位の同定を行い、過去の発掘調査の平面プランに落とし込む作業を進めた。また、平成25年度(2013年度)、平成26年度(2014年度)に日ロ共同でマリタ遺跡の小規模な発掘をいくつかの地点で行ったが、ロシア側研究者と協働で、これらの発掘地点の層序を比較、検討を加え、発掘報告書を作成する準備を行った。さらに、出土した出土遺物・動物骨について整理し、分析に供する優先順位を決定し、分析を行った。
4: 遅れている
研究代表者が、平成27年(2015年)7月初めに、難病指定されている急性間質性肺炎を罹患した。幸い、ステロイドの大量投与で一命を取り止めたが、2ヶ月半の入院を余儀なくされた。退院後もステロイド剤の服用、通院治療が続き、服用量を減らしながら、急性増悪(再発)が起きないよう経過観察中である。急性増悪への緊急対応が出来ないので、主治医から外国出張を禁じられたため、平成27年(2015年)7月から10月にかけて予定されたロシアにおける調査・分析試料採取が出来なくなり、採取試料の分析など、当初の研究計画を遂行することが不可能になった。このため、補助事業期間を1年間の延長する申請を行い、承認された。平成28年(2016年)夏には、渡航が可能になる。
平成28年(2016年)夏には、外国出張が可能になる。現地共同研究者とスケジュール調整を行い、マリタ遺跡から発掘された資料の調査、分析試料の採取を行う。ロシア国立歴史博物館(モスクワ)では、主としてヴィーナス像が密集して発掘した地点の動物骨について分析試料の採取を行う。またエルミタージュ国立美術館(サンクトペテルブルグ)では、幼児骨、マンモスの牙、鹿角などの試料採取を行う予定である。平成28年度(2016年度)中に、年代測定・同位体比分析を終了させ、得られた値をもとに、層序、年代、遺物の性格などを日ロ共同で検討し、マリタ遺跡の年代観を明らかにする。
研究代表者が難病を罹患し、入院・経過観察中のため、予定されていた調査、分析試料の採取、および試料の分析を行うことが出来なくなった。
分析試料採取のための外国旅費、および年代測定、同位体比分析の費用として使用する。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Anthropological Science
巻: 123 ページ: 87-94
10.1537/ase.150309
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Quaternary International
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