研究課題
マリタ遺跡から出土したヴィーナス像や鳥像などの彫像の年代と遺跡の年代を決定するための分析試料を採取、分析を行った。2016年(平成28年)10月に、研究分担者2名とともに、ロシア側共同研究者と共同で、資料調査・分析試料の採取を行った。ロシア国立歴史博物館(モスクワ)では、1956年、1957年にマリタ遺跡を発掘した際の出土品について調査、試料採取を行った。当時の発掘区地図をもとに、資料の出土地点を照合し、彫像密集地点、住居址周辺などの資料、および出土地点が明確な資料を選択した。マンモスの牙から製作されたヴィーナス像、彫像密集地点から採取されたトナカイとマンモス製ヘラ状骨器、カットマークが付いたトナカイの角、オーカーが付着したトナカイの角、焼骨、魚骨など、たくさんの年代測定・同位体比分析用の試料を採取した。また、国立エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク)では、マリタ遺跡から出土した幼児の人骨について、各断片から分析試料を採取した。さらに、状態が異なるトナカイの角、マンモスの牙からも分析試料を採取した。2015年度(平成27年)に、小規模であるが、日ロ共同でマリタ遺跡の再発掘を行っているが、層位関係が明確な出土資料が得られ、獣骨の同定、年代測定を進めてきた。本年度に採取した多数の骨資料について、年代測定・同位体比分析を行い、興味深い測定結果を得た。これまでの分析結果、発掘結果をもとに、ロシア側研究者と共同で、遺跡の性格、年代についての知見を整理し、共通の認識を共有すべく議論を進めた。これまでの成果を論文化し、発表する準備を進めている。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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