研究課題/領域番号 |
25300049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
宮脇 幸生 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60174223)
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研究分担者 |
児玉 由佳 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター・アフリカ研究グループ, 研究員 (10450496)
佐川 徹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (70613579)
佐藤 美穂 長崎大学, 国際連携戦略本部, 助教 (40607256)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
眞城 百華 津田塾大学, 付置研究所, 研究員 (30459309)
増田 研 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (20311251)
松村 圭一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (40402747)
藤本 武 富山大学, 人文学部, 准教授 (20351190)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | NGO / 開発 / エチオピア / 文化人類学 |
研究概要 |
平成25 年度は、調査対象・調査地域におけるNGO およびその開発プロジェクトのおおまかな全体像を明らかにすることをめざした。研究代表者の宮脇は、エチオピアのNGOを統括するCharities and Societies Agencyにおいて現状について聞き取りを行うと同時に、エチオピアのNGOのデータベースのファイルを得た。児玉はエチオピア・アムハラ州で、若者のライフコースの変化とそれに伴う土地制度の変遷に関して農村調査を行った。佐川はエチオピア南部諸民族州サウスオモ県において,開発プロジェクトの進展が地域社会に与える影響について調査をおこなった。佐藤はアディスアババにおいて、エチオピア正教会参加の開発NGO関係者からの聞き取りを実施した。さらに国際NGO、I-TECHから資金提供を受け、アムハラ州のエチオピア正教会敷地内で信仰とHIV治療サービスの双方を提供するNGO の代表からの聞き取りを実施した。田川はエチオピアのオロミア州ボラナゾーンにおいて現在、行われている日本政府による政府開発援助のプロジェクトについて調査を行った。特にボラナのローカルNGOがこうしたODAのプロジェクトにおいてどのような役割を果たしているのかについて注目した。藤本は調査地の現状について、8月にイギリスで開かれた学会で口頭発表した。眞城はティグライ州においてティグライ女性組合の活動に関する調査を実施した。マイクロファイナンスなど新たなサービスを女性組合が開始する時期であり導入時のプロセス等を調査した。増田は国内において開催された研究会に参加し、情報交換と議論をおこなった。松村はエチオピア北部のウォッロ地方において、食糧不足に対する政府と非政府組織の援助活動の現地調査を実施し、国内外の学会・研究会で報告し、情報の共有と議論を行った。このように、当初の予定はおおむね達成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示したように、平成25年度の目標である、エチオピア全体のNGOの現状の把握、および各調査地におけるNGOのかかわるプロジェクトの選定と当該NGOおよび関係者へのアプローチは、おおむね達成できた。これらに関しては、今後順調に進むものと考えられる。ただ、職場における不可抗力的な出来事によって、初年度のフィールド調査をできなかった分担者がおり、これらの分担者は今年度以降、当初の研究プランを1年遅れでスタートさせることになる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度・27年度は、アンケートや聞き取りによる住民への調査をもとに、プロジェクトが現地の生態環境や住民たちの生活にどのような影響をおよぼしているのかを明らかにしていく。それと同時に、NGO およびそのプロジェクトが、連邦政府、州政府、および他のNGO とどのような形で関わっているのかを、プロジェクト関係者、政府の官吏、地域住民への聞き取りを通して明らかにする。またこのようなフィールド調査と同時に、NGOによる開発や人権擁護の活動が、エチオピア政府の推進する経済政策や政治支配とどのような関係にあり、いかなる権力行使が行われているのかも、マクロな視点から合わせて考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者および分担者が、学内の事情により、長期の海外フィールドワークを行うことができなくなったため。 昨年度繰越金の生じたのは、研究代表者の宮脇と研究分担者の藤本および松村である。この三人は繰越金を用いて、昨年度に計画していたフィールドワークを今年度に繰り越して行う予定である。
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