研究課題/領域番号 |
25300051
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
杉田 映理 東洋大学, 国際地域学部, 准教授 (20511322)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ウガンダ / 水・衛生 / 行動変容 / ライフヒストリー |
研究実績の概要 |
今年度は、所属大学より1年間のサバティカルを頂き、海外にて研究を実施した。まず4月よりロンドンに1か月弱滞在し、London School of Hygiene and Tropical Medicine(LSHTM) に客員研究員として所属してウガンダでのフィールドワークの準備を行った。LSHTMは水・衛生関連の研究で世界のトップレベルの研究者が揃っており、研究計画に関する有意義なアドバイスを得ることができた。 4月末より8月末まで、および2015年1月上旬より2月上旬まで、計5か月はウガンダに渡航して現地調査を以下3フェーズに分けて実施した。なお、9月から12月の間も世帯のモニタリングは調査助手2名によって継続された。 【第1フェーズ:カンパラでの情報収集および打合せ】(1) マケレレ大学との打合せ、(2)水衛生の関連機関(JICA, WaterAid,UNWSC,UNVRI,UWASANET)からの情報収集 、(3)資料および物品調達 【第2フェーズ:現地における長期調査の整備】(1) 調査助手の選定・トレーニング、(2)県、郡、村長等から情報収集 、(3)調査対象村(3地域)の世帯リスト入手、(4)ランダム・サンプリングにて42世帯選定 【第3フェーズ:データ収集およびデータ入力】(1)対象42世帯に対する調査票によるインタビュー、(2)世帯モニタリング(各月、計9サイクル実施)、水利用の観察調査。水汲みの実態、水汲みおよび貯留用の容器、子どもの疾病患状況に関するモニタリング。(3)水源のGPSによる位置確認、(4)2000年時の調査世帯から10世帯、水源の管理関係者5人へのライフヒストリーインタビューを(5)月経に関するサーベイ調査(高校生90人)、(6)月経に関するフォーカスグループ・ディスカッション(高校生4グループ) 9月から1月上旬、2月中旬より3月末まではLSHTMにて上記で収集したデータの分析や関連情報の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り1年間の海外研究を大過なく実施できた。データのクリーンアップと分析には予想以上に時間を要したが、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度(2015年度)は、データの分析を進めるとともに、9月にはウガンダに再度渡航し、調査結果概要をウガンダの研究協力機関(マケレレ大学)と調査対象コミュニティーにおいてプレゼンテーションを実施する予定である。また、その際には分析過程で必要性が明らかになった情報の追加収集も行いたい。 さらに、まとめられた部分の研究結果について学会発表を行い、フィードバックを得て出版につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
急激な円安による為替レートの変化があったため、海外研究中に購入予定であった一部物品については次年度に回して日本で購入することとした。また、当初予定していた研究協力者(ロンドン大学)のウガンダ出張が、日程の都合上取りやめとなった。さらに統計分析の補助者を見つけるのに時間を要したしたため、予定より支出が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に繰り越しとした物品(質的分析ソフトを含む)を購入するとともに、統計分析の補助については、引き続いて同じ人に依頼をする予定。
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