研究課題/領域番号 |
25301020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
伊豆見 元 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (00193376)
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研究分担者 |
五島 文雄 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (90153767)
梅本 哲也 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (10193947)
諏訪 一幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50374632)
伊藤 剛 明治大学, 政治経済学部, 教授 (10308059)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 外交・安全保障政策 / 中国 / 米国 / 中朝関係 / 中越関係 / 核開発 / 南シナ海 / 日本 |
研究概要 |
平成25年度は中国、米国、北朝鮮、ベトナムが各々2011年、2012 年に新体制を発足させたことを踏まえ、新体制の特徴を安全保障政策の観点から明らかにすることを中心に研究を進めた。 7月にはメンバー全員でベトナム・中国へ赴き、7日~9日間の現地調査をおこなった。ベトナムでは、米国大使館、日本大使館、ベトナム外務省、中国研究所(ベトナム社会科学院傘下)を訪れ、米越関係、日越関係、中越関係等についてのブリーフィングを受けると同時に、意見交換を行った。中国では、中国現代国際関係研究院(国家安全部傘下)、日本大使館より研究課題に関するブリーフィングを受けると同時に、意見交換を行った。9月にはメンバー全員で米国へ赴き、7日~10 日間の現地調査を行った。現地においては全員が一緒に国務省を訪問、また、各自が自分の分担に基づき、スチムソン研究所、日本大使館、ジョージタウン大学、ジョージワシントン大学などを訪問し、専門家と意見交換を行った。 上記2回の海外調査に前後して、静岡県立大学で本研究メンバー以外の軍事・安全保障問題に造詣の深い各国専門家に知識の提供をして頂いた。 初年度1年間の研究を通じて得た最大の成果は、海外調査において研究対象地域の異なるメンバー同士がほぼ同一日程で同一ホテルに宿泊して、調査方法・調査結果に関する意見交換をしたことにより、一定の共通認識と各自の担当分野における問題点を明確化できたことである。これらは、すでにメンバーの論文や国際シンポジウムにおける口頭発表により一部明らかにされつつあるが、今後、さらに精緻化されていくであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査は、ほぼ予定通りの日程でベトナム、中国、米国にてメンバー全員参加のワークショップを開催することができた。しかし、相手国側の事情、あるいは双方の日程上の都合もあり、初年度の目標であった軍事・安全保障政策に直結する各国の国防省関係者とはワークショップを開催することができなかった。 しかし、メンバー以外の軍事・安全保障問題に造詣の深い専門家には、科研費以外の補助も得つつ予定回数以上の講演会・研究会を開催することができ、今後の御協力も得られる目途が立った。 また、初年度ということもあり、共同研究の成果を出す段階にはないが、メンバーの中には長年に亘る自分の研究成果を踏まえて、本研究に関連する著書・論文・口頭発表を行っている者もいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の海外調査は、昨年度の調査が上述のように軍事・安全保障問題を中心とするものであったのに対して、より広い視野から外交政策とその実態を中心に調査を進める。調査の焦点は、軍事・安全保障問題が各国の対外戦略にとってどの程度のプライオリティーを持つのかを見極めることにある。 そこで、メンバー全員が7月に中国・韓国へ赴き、7日~10日間の現地調査をおこなう。中国・韓国での調査では、昨年と同様に全員が主要部分を一緒に行動する。中国では、中国国際問題研究所(外交部傘下)ならびに中国社会科学院(傘下の関連研究機関)等で中国の外交政策とその実態について調査を行う。その際に、現地の日本大使館、米国大使館で北朝鮮をフォローしている担当官からも北朝鮮情勢についての意見交換をおこなう。韓国では外交問題に詳しい国立外交院外交安保研究所(IFNAS)、世宗研究所を訪問する。そして、現地の日本大使館、米国大使館に行き、過去2年間における中朝関係の変化についてのブリーフィングを受ける。9月には米国での7日間~10日間の現地調査を行う。この調査でも主要部分は全員が一緒に行動する。現地においては国務省、国家安全保障会議(NSC)並びに関連するシンクタンクなどを訪問し、外交政策、とりわけ対東アジア外交政策を中心に調査する。 なお、可能であれば昨年度実現でいなかった軍事・安全保障政策に直結する国防省関係者とのワークショップも開催したいと考えている。 上記2回の海外研修に前後して、各担当分野に係わる専門家の知識の提供を受ける。そして、3年目(最終年度)に予定している国際シンポジウムの準備に入る。
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次年度の研究費の使用計画 |
メンバー全員が格安の航空券を利用したこと、そして、一部のメンバーが、2年目に備えて日程を短縮した方が研究課題の解明には科研費の有効利用になると考えたことなどが主な理由である。 また、2度の海外調査後に資金的余裕が生まれたものの、次年度に円安が進んだ場合のことを想定すると、多少の予算的余裕を持っておいた方が円滑に研究を推進する上で良いと考えたことによる。 まず、計画通りの日程で海外調査を行う必要経費を計算し、余るようであれば各自の担当地域への追加調査費、あるいは研究課題に係る図書購入費等に充当する計画である。
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