研究課題/領域番号 |
25301026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
近藤 正規 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (30306906)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 開発 / 国際金融 / アジア / 環境 |
研究概要 |
平成25年度においては、特に国際金融情勢の変化がアジアの新興国の多国籍企業の活動にどのような影響を及ぼして、それが投資先国の環境問題にとのような影響を及ぼすか、東アジアを中心にフィールド調査を行い、データの収集を行った。特に米国の金融緩和縮小の結果、財政赤字と経常収支の赤字の深刻な国においては、通貨安の減少が深刻になり、これがこれらの国々における多国籍企業の活動に深刻な影響を与えたことをまず確認できた。具体的には、投資先の国内売り上げの減少、資本財は中間財、部品などの価格の上昇、金利の引き上げに伴う金融コストの上昇、高金利に伴う需要の減速、内需向けから海外への輸出へといった経営戦略の変更、こうした要因による環境経営に対する投資の減少が確認できた。さらにこうした事象をデータ化することに心がけた。また欧州の金融機関の動向を調査することにより、欧州のユーロ危機の影響も確認できた。最後に、データ収集における変数が調査の途中で増加したが、これまで収集したデータとの整合性を保つための技術的な方策を見つけだすことができたため、この問題は解決することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は主に東アジアにおいて現地調査を行ったが、今後は南アジアや東南アジアについても同様の調査を行い、データの収集を拡充させることを行っていく。加えて、投資先の国による財政赤字や経常収支の差によって、為替レートの変動がどのように差が出てくるのか、またこうしたマクロ要因が投資先企業を対象とした産業政策といったミクロ要因と比べてどちらがどのくらい大きいのか、といったことも計量的に分析したい。過去に世銀が行った調査ではマクロ環境と為替レートの変動が及ぼす影響の方が、ミクロの政策よりも倍以上の効果があったという結果となっているが、こうした先行研究を最新のデータをもとに検証する。さらに、投資先の国による外資企業の活動と環境経営の差を数量化して、さらには日本のODAに対する考察も行い、世銀やそのほかの国際機関との比較も行いつつ、政策提言に結びつけていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末の海外出張の精算が年度をまたぐ結果となったこと、さらに年度内の海外出張旅費が思ったよりも経費がかからなかったことなどが挙げられる。 年度末旅費の精算に使う他、引き続き海外出張・国内出張に使用していく。さらに平成26年度は書籍・パソコンの購入にも充当したい。
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