研究課題/領域番号 |
25301026
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
近藤 正規 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (30306906)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アジア / 国際金融 / 環境 |
研究実績の概要 |
本研究では、最初に海外直接投資が途上国の環境問題に及ぼす影響について、データを収集して分析することを中心に行ってきたが、平成26年度は国際金融のフローが途上国の環境問題に及ぼす影響について、分析を行うことを主眼とした。 米国の金融緩和を受けて資源価格が高騰し、その後、テーパリングとともに原油価格が暴落し、それにつれて資源価格も低下した。このことが新興国の経済に与える影響を、財政赤字と経常赤字と債務返済比率(デッド・サービス・レシオ)をもとに分析し、同時に環境問題についてのインパクトも分析を行った。 加えて、インドを中心として、こうした国際経済の変化が新興国に対する証券投資にどのような影響を与えるのか、それがどのような環境に対するインパクトを与えるのかについても調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたデータを質量ともに収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、26年度にインドで行った調査と同じ調査を東アジア諸国において行う。特に香港、台湾、アセアン諸国についてデータを収集する。経済成長とともに不平等がどのように存在し、それが環境問題にどのような影響を与えるかについても、調査を行う。 それとともに、先進国の金融機関や政府の監督機関にヒアリングを行い、国際金融情勢の変化がアジア経済に与える影響について分析する。経済不安の残るEU圏についても同様の調査を行う。 特に、本年度中には米国の利上げが予定されている中で、これが新興国にどのような影響を与えるかについても、1997年と2008年の金融危機の場合と比較して分析する。 加えて、国際機関の役割においても政策提言を行うこととする。 さらに、これらの諸国の大学や研究機関を訪問し、関連する研究を行っている研究グループと意見交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データの収集状況がよかったため、出張の日数を少なくすることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度及びそれ以降に出張回数を増やし、当初計画していた「以上」のデータを収集したい。
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