研究課題/領域番号 |
25301027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
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研究分担者 |
胥 鵬 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (60247111)
田村 晶子 法政大学, 比較経済研究所, 教授 (30287841)
武智 一貴 法政大学, 経済学部, 准教授 (80386341)
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 教授 (60425725)
渡邉 真理子 学習院大学, 経済学部, 教授 (10466063)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済事情 / 国際競争力 / 国際貿易 / 日中印 / 資本流入 / 産業組織 / イノベーション / 知的財産 |
研究概要 |
絵所は雑誌論文と著書で独立後から現在にいたるまでのインドの経済政策と経済発展の特異的性格を、中国を含む東アジアとの比較を念頭において描きだした。また、ダイナミック・アジア経済圏における「競争と補完」関係分析の一環として、タイ・マレーシア・フィリピンのテキスタイル&アパレル産業をとりあげ、現地企業と日中印企業との関係を明らかにした。胥・田村は中国の輸出競争力の2003年~2008年の推移を、Eaton and Kortum[2002]の手法を応用したGravity Modelを用いて検証した。中国の輸出競争力は向上し、2007年には、日本、アメリカを抜き1位になったことが確認できた。また、低賃金の優位性を省いた技術競争力の向上も確認できた。胥は共著論文でホットマネーが中国の不動産価格に対する影響を分析し、金融面においても中国の対外依存度が強まっていると明らかにしている。中国経済自身が「政経一体の国有経済」としての側面と非常に自由な資本主義精神にあふれた「市場経済」という二面性を持っているため、渡邉は中国経済のイメージが錯綜しており、高度成長を支えている論理について、中国企業は深く広い分業を好み、それが「旺盛な参入と低い価格」を可能にしていると分析している。近藤は事例研究で「太陽光発電」と「ハイビジョンテレビ」について日本におけるイノベーションのインパクトを分析した。各国の市場構造・知的財産権保護の強度などが、企業の海外進出形態にどういった影響を与えるか検証するために、武智は製薬業に焦点を当て、企業が自社自ら生産・販売するケースと、現地の企業と提携し現地企業ブランドで販売を行うケースの違いを分析した。各国の知財保護強度や企業の製品ポートフォリオが進出形態に影響している点を明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載した通り、海外調査とデータ分析が順調に進み、国際コンファレンスと成果公表ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまでの成果を生かして、アジアにおける日中印の協力と競争の分析を進める年度としたい。従来どおり、海外調査に加えて定期研究会における報告・討議のほか、ワークショップ、学会発表や雑誌投稿を中心的な研究活動の場として想定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
円安進行を備えて3月に開催する国際コンファレンス関連の海外研究者招へいの費用を多めに計上したため。 海外調査と海外研究者招へいの予算を順次執行する予定である。
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