研究課題/領域番号 |
25301031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 公益財団法人三井文庫 |
研究代表者 |
吉川 容 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 主任研究員 (20201460)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済史 / 環太平洋貿易 / 商社 / 在外支店 / 接収文書 / 米国国立公文書館 / オランダ国立公文書館 |
研究概要 |
米国国立公文書館(NARA)へ、研究代表者が出張し、RG(レコードグループ)131 の接収文書の内、三井物産サンフランシスコ店の会計掛関係文書、横浜正金銀行ニューヨーク支店の調査書類などを調査した。また、RG131 の「リボックス」作業の進行状況を確認した。RG131 史料のうち、三井物産サンフランシスコ店と本店との間の往復文書、横浜正金銀行による日本企業関係信用調査書類などのデジタル画像約17,000コマを収集した。 オランダ国立公文書館へ、連携研究者3名が出張し、第二次世界大戦期に蘭領東インドを占領した日本軍・日本軍政当局および民間企業が作成し,1945年8月に蘭印軍、英軍、豪州軍に接収された文書群を調査した。今回は,SOO(Stichting Oorlogsgetroffenen in de Oost)の前川佳遠理氏の協力を得て、「蘭領東インドにおけるオランダ軍情報局および中央軍情報局1942-1960」(目録番号2.10.62)と「蘭領東インド総督府文書1922-1950」(2.10.14)を中心に、三井物産、三菱商事、坪野商店、明治産業、石原産業など、蘭領東インドに展開した日本企業の経営史料を閲覧・撮影した。 NARAなどで複写収集した史料の公開準備(画像名称の整理、史料目録への複写情報の入力など)を進めた。 史料の分析結果を討議し、史料調査の進め方を検討するため、研究代表者および連携研究者による研究会を、5月、6月、8月、10月、11月、2月の6回開催した。11月の研究会には、前川佳遠理氏(前出)を招いて、オランダ国立公文書館が所蔵する史料についての情報提供を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
米国国立公文書館への調査出張を予定していた連携研究者が、本務の都合等により2013年度中の調査を見送ることになった。また、オーストラリア国立公文書館への調査出張を、同館での目録整備の進展状況を勘案して見合わせた。米国国立公文書館での複写画像収集は、当初予定の6割程度のコマ数となった。これは、RG131資料リボックスの関係で、対象史料の指示に手間取り、スキャニング作業の開始が年度後半となったためである。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き史料調査と収集をおこなう。米国国立公文書館(NARA)については、2014年度に実施できなかった分を含めて、年度前半に集中して調査を進める。NARA所蔵史料の複写画像収集を現地業者に委託する(約33,000コマを予定)。これについては、2013年度中に対象史料の選定が相当進んでおり、2014年度年度初めからスキャニングを開始する。オランダ国立公文書館での史料調査・複写画像の収集を継続する。オランダ国立公文書館所蔵史料利用のため同館史料目録(オランダ語)の翻訳を検討する。なお、オーストラリア国立公文書館については、同館目録整備の進展状況を勘案して検討する。 調査結果の共有と収集した史料の分析結果討議などのため、研究代表者と連携研究者による研究会を開催する。また関連分野の研究者や商社の実務経験者を招いた研究会の開催も検討している。 複写収集した史料の公開準備(画像リストの整備など)を進める。史料目録については、2014年度中に、テスト的なWEB公開に進みたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
米国国立公文書館への調査出張を予定していた連携研究者が、本務の都合等により2013年度中の調査を見送ることになった。また、オーストラリア国立公文書館への調査出張を、同館での目録整備の進展状況を勘案して見合わせた。以上により、予定した旅費のうち約120万円が次年度使用額となった。RG131史料リボックスの関係で、複写収集対象史料の確定が年度半ばとなったために、米国国立公文書館での複写画像収集が、当初計画の6割程度のコマ数となり、予定した費用のうち約70万円が次年度使用額となった。史料目録などの公開準備のためのデータ整理を依頼する予定でいた研究協力者の都合がつかなくなり、後任者の選定に手間取り、予定した謝金のうち約20万円が次年度使用額となった。オランダ国立公文書館の目録(オランダ語)の翻訳を予定していたが、その要否を再検討することになり、その費用50万円が未使用となった。 米国国立公文書館(NARA)については、2014年度に実施できなかった分を含めて、年度前半に集中して出張調査を進める。NARA所蔵史料の複写画像収集については、2013年度中に対象史料の選定が相当進んでおり、2014年度の初めからスキャニングを開始し、2013年度からの繰越分と当初から2014年度に計画していた分を収集する。オランダ国立公文書館所蔵史料目録(オランダ語)の翻訳については、再度の現地調査を踏まえてその要否を検討する。不要と判断した場合には、同館もしくはNARAでの史料複写収集費に充当する。 データ整理については、2014年度は、年度初めより研究協力者を確保して作業を進める。2013年度に積み残した分については、研究協力者の増員等により遂行する。
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