研究課題
本研究では、脈動オーロラと呼ばれる明滅するオーロラの持つ時間変動の起源について、VLF帯のプラズマ波動であるホイッスラーモードコーラスとの対応関係を、高感度カメラによるオーロラの高速撮像と地上VLF波動観測との対応から明らかにすることを目的としている。計画最終年度の平成28年度においても、アラスカおよびカナダでの高速撮像観測を継続して実施するとともに、取得されたデータ解析を行ってきた。特に本年度は、脈動電子オーロラのカウンターパートとなる脈動プロトンオーロラの研究も実施し、高速撮像によって観測された脈動プロトンオーロラ中の高速変調成分を同定するとともに、その高速変調成分と地上で観測されたULF波動(Pc1 バースト)に見られる周波数上昇型の変調との対応関係の存在を新たに特定した。これは、脈動電子オーロラとホイッスラーモードコーラスとの関係のカウンターパートとなる現象であり、脈動電子オーロラの特性を理解するうえでも重要な知見となる。これらの結果は、論文誌において報告された。また、脈動電子オーロラに見られる空間的な特徴を抽出するために、主成分分析(PCA)を利用した領域特定の手法の開発を進め、学会等での報告を行った。さらに、平成27年12月に打ち上げられた「あらせ」衛星と、上記の観測点との同時観測にも成功し、現在それらのデータ解析も継続して実施している。なお、これらのデータについては webサイトでのケオグラムの公開をはじめとするデータベースの構築を進め、広く利用できる体制を整備している。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Geophysical Research Letters
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https://ergsc.isee.nagoya-u.ac.jp/cef/emccd.cgi