研究課題
本年度は,2013年,2014年度に掘削したシネフダグ地域のボーリングコアの全長約340mを対象に各種解析と分析を行い,そのデータや成果を整理し,3年間の研究の取りまとめを行った.名古屋大学フィールドリサーチセンター(FRC:ウランバートル)で各コアの分割作業を行い,これまでの層序記載の再チェックと分析試料追加採取を実施した.その上で,岩相だけでなく掘削坑井の物理探査ログも用いて,3本のコア層序の対比を確立した.そして,現地地質調査結果を合わせて,当初計画した白亜紀前期のツァガンツァフ層最上部からシネフダグ層,そしてフフテグ層最下部への連続層序を確立した.層序年代を確立するために,短期間の現地調査で追加採取した挟在凝灰岩層のジルコンのFTおよびU/Pb年代測定を金沢大学と名古屋大学で行った.さらに別途入手したモンゴル国内で掘削された他地域のコア試料に対しても年代測定を実施123-119Maの範囲と判定した.こうした結果を総合して,モンゴル南東部に広く分布する湖成頁岩相のシネフダグ層の層序研究のレヴューを含めた我々の成果をIsland Arc誌に論文投稿しまもなく受理される見込みである.これによってこれまで不明であったシネフダグ層と上位のフフテグ層下部の年代が確定されたことになるので,連続的な湖成頁岩層で得られた無機化学分析(XRF,XRDによる主要元素,粘土鉱物組成)による化学風化度・古気温指標変動,有機化学的指標(TEX86)による湖水温変動の結果を,順次国際論文として執筆,投稿していく条件が整った.また,コアで見いだされた年縞,数百,数千,数万年スケールの複数の階層性周期と上記の古環境示標や湖水位(降水量)変動など白亜紀中期の古環境変遷の考察を進めていくことができる.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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