研究課題
●島弧深部のマントル相当,マントル・地殻境界相当岩石類の構成と成因論 本調査によって,アラスカタルキートナ岩体や,アルバニアなどの古テチス海起源の島弧オフィオライトで行った野外調査試料に関して試料解析を進めている。これらの成果から,1)主要な最上部マントル構成物質は,メルト成分に枯渇したかんらん岩成分が占めていること,2)これまでに詳細な記載のなかったメルト成分に富む岩石類が少量存在していること,3)多様な輝岩類が産していること,4)地殻・マントル境界付近では,輝岩と主にかんらん石からなる岩石(ダナイト)が数mから数100m規模で複雑に入り組むように分布していること,5)最下部地殻相当には,もともと浅い,圧力の低い領域で形成された岩石が圧力増加によって変成作用を受けて密度の高い岩石に変化している様子が記録されていることなどがわかった。●島弧深部,最下部地殻相当の構成と成因論昨年度の最終年度に最下部地殻相当の構成を検討するべく詳細な野外調査を行った。その結果,現在のところ,過去の海洋プレートを構成していた時代の海洋地殻下部相当の物質は見当たらず,調査地域の大部分が島弧火成活動に関連した下部地殻物質で構成されているように思われる。しかしながら,逆に,既存の島弧深部下部地殻相当物質に海洋プレート下部地殻相当に高い頻度で観察される構成物質(トロクトライトと呼ばれるはんれい岩の一種)が貫入している様子も見られることから,海洋プレート下部地殻相当の岩石との詳細な比較が必要である。さらに,これらの岩石は様々なステージで角閃石に富む岩石に置き換えられていることから,水に富む流体の影響を受けていることは明らかで,これらの水の起源と島弧深部の発達過程との関連が今後の課題である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
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