研究課題/領域番号 |
25303003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古内 正美 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (70165463)
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研究分担者 |
畑 光彦 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (00334756)
鳥羽 陽 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50313680)
関口 和彦 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50312921)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バイオマス / アグロインダストリー / 農業 / 東南アジア / 環境負荷 / 大気汚染 |
研究概要 |
ワークショップとセミナーを開催し,1)「タイの農業・アグロインダストリの現状」と2)「農業・アグロインダストリによる環境負荷インベントリ」に関する議論を行った。またこれらの議論の結果と現地調査(含カンボジア)およびREAS等の既存データベースに基づいた,「タイ,ベトナム,カンボジアの農業・アグロインダストリの現状評価」,3)「農業・アグロインダストリによる環境負荷インベントリ評価および国別特性の考察」を行い,タイ北部での森林火災,野焼きの重要性,経済的な理由による作付け農作物の転換による環境負荷の問題が重要なことを明らかにするとともに,特にベトナムで農業・アグロインダストリ起源の粒子状物質負荷が周辺国に比べて圧倒的に大きいことなどを明らかにした。また,これらのワークショップでは,4)「農業・アグロインダストリ起源大気中微粒子域内輸送のモニタリングネットワークの構築」に関する議論も合わせて行うとともに,同項目の実施を具体的に進めるため,セミナー3を予定している。また,関連する環境評価と5)「環境負荷抑制のための対策技術の検討」について,その成果を日本エアロゾル学会で発表した。3)の「農業・アグロインダストリによる環境負荷が及ぼす健康影響の調査」については,その評価手法に関して日本エアロゾル学会,およびアジアエアロゾル学会(2013年12月)で講演するとともに来年3月にハノイ・ホーチミンでの現地調査を予定している。さらに,以上の成果を踏まえた6)「効果的な共通対策手法(プロトコル)の議論と提案」を目的として,ワークショップ4および5の開催を予定している。なお,バンコクで開催予定のワークショップ4および5には,タイ,カンボジア,ベトナムの研究者の招へいを予定している。発表論文の一部について,査読付き論文として投稿の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
比較的短期間の間に,ワークショップとセミナーを各1件開催するとともに,年度内に合計5件のワークショップとセミナーの開催を進めるなど,研究者間の交流,若手研究者の教育,ネットワークの構築は極めて順調に進んでいる。次年度以降の展開についてもすでに計画が確定している。さらに,これまでの蓄積が大きいが,関連する研究について,本年度の検討結果を踏まえたうえで非常に多くの学会発表を行っており,情報発信も十分である。また,現地調査や種々のデータベースに基づく多角的に環境負荷,健康影響を評価するプロセスの構築も順調であり,年度末には精査した検討結果を公表できる予定である。関連する卒業研究,修士研究,博士研究テーマも設定しており,学生を含めた研究室の研究資産・エフォートを相当集中しており,アクティビティは極めて高い。 これまでにない新しい知見を見出し,新たな人的ネットワークを構築して新しいデータを創出するベースを作り,成果の総括についてもある程度予測できるレベルに達するなど,1年という期間を考えれば目標をかなり達成できていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の活動を通じて,東南アジアを含む東アジア地域の発生源特性・健康影響の考察とリンクした微粒子モニタリングネットワークの構築が本年度中に相当具体化された。今年度末のバンコクでのワークショップでの議論を踏まえて,来年度早々(4月12-13日)には,ネットワーク構築と環境評価,大学間の研究・教育連携をより強固にするためのワークショップを,タイのプリンスオブソンクラ大学,日本国内の連携研究者(金沢大学理工研究域および環日本海域環境研究センター,北陸3高専,埼玉大学,自動車研究所,大阪府立公衆衛生研究所,国立環境研究所,産業技術総合研究所),韓国(KIST),中国(武漢科学技術大学,北京師範大学)からの研究者の参加を得て開催する予定になっており,今後の拠点・ネットワーク形成,若手研究者の育成に本研究の成果が発展的・継続的に生かされる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
現地調査に同行する予定だった鳥羽が,日程が合わず次年度に延期したため。 次年度に現地調査を行う旅費に使用する予定です。
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