研究課題
前年度に引き続き大気環境モニタリングを行い,発生源影響を特定するうえで重要な季節変動,年変動特性を評価した。バイオマスとその他の発生源からの寄与を考察するため,収集した発生源情報と化学成分等の大気データを分析し,焼畑のための森林火災,稲作等の農業残渣の焼却,交通起源や越境汚染の影響を切り分けて地域の大気環境へおよぼす影響を整理した。また,タイを対象に,農業・アグロインダストリーの排出インベントリーと大気汚染モニタリングデータと相関から大気汚染への寄与評価をする手法の妥当性を検証した。この結果,各種農作物の収穫と残渣処理およびアグロインダストリー生産の地域的,季節的変動を考慮することで,粒子汚染寄与を評価する手法が極めて妥当であり,タイ中部や北部では農業・アグロインダストリー・森林火災起源の粒子汚染寄与が大きいことを明らかにした。さらに,小規模バイオマス直接燃焼源への発生源対策装置の予備的検討として,前年度に小規模バイオマス直接燃焼源へ適用可能と判断されたもの,および前年度に得た基礎的特性と性能予測手法に基づいて設計・試作した粒子充填層フィルターを用いて,これまで環境調査と試験装置の実験等で実績のあるタイ南部ソンクラ県ハジャイ市近郊の天然ゴムスモークシート製造工場のシート乾燥室をケーススタディとして,試作フィルターの実証試験に向けた予備試験を実施し,基礎データを集積した。研究成果を公表するため,アジアエアロゾル会議(AAC2015,金沢、6月)で関連テーマを含む20件の発表をしたほか,12月にタイ・プリンスオブソンクラ大学でタイ,カンボジア,インドネシア,マレーシアなどからの多数の参加を得てワークショップを開催し,10件の発表を行った後,アジア各国から集まった約40名の参加者間で森林火災や農業に関連する環境汚染の現状と改善方法について議論を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Environmental Sciences
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
doi:10.1016/j.jes.2016.02.007
Aerosol and Air Quality Research
doi: 10.4209/aaqr.2015.12.0679