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2013 年度 実績報告書

海洋微生物の共生-進化系理解のための日-欧連携フィールドワーク

研究課題

研究課題/領域番号 25303008
研究種目

基盤研究(B)

応募区分海外学術
研究機関早稲田大学

研究代表者

中尾 洋一  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60282696)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード共生微生物 / 海綿 / エピジェネティクス / 生理活性物質 / メタボローム解析 / メタゲノム解析 / 国際研究者交流
研究概要

平成25年度はErpenbeck博士を訪問研究者として中尾の研究室に受け入れ、LC-MSによる水族館にて飼育可能な海綿のメタボローム解析の共同研究を行った。D’AuriaおよびZampella教授との共同研究において、Theonella属海綿由来のステロイド化合物の類縁体群について分析を行い、それらの生理活性について検討を行った(文献1)。一方、平成26年度以降に予定しているイタリアでの海綿採集、および共生微生物のメタゲノム解析、成分のメタボローム解析実施に向けて、予備的な研究として日本国内産の海綿を採集して、飼育実験、共生微生物培養実験、LC-MSによるメタボローム解析条件の検討、化合物の生理活性評価を行った。特に鹿児島県産のMycale属の海綿については、構造的にも多様な生合成経路による二次代謝産物が豊富に含まれ、これらの中には本研究で注目しているエピジェネティクス制御に関わるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害活性など、各種生理活性化合物が含まれていることを明らかにしていることから、この海綿に焦点を絞って採集を行い、各成分の分析・精製、各種生理活性評価を行っている。また、HDAC阻害活性と細胞のヒストン修飾への影響をリンクさせて観察することで、エピジェネティクスに影響をあたえうる化合物の探索をより詳細なレベルで行っている。得られた化合物を共生微生物群に投与することで、なんらかの影響がみられる場合には共生関係の維持にかかわる可能性が考えられるため、より詳細に検討を行う。海綿の飼育についても試みたが、非常にデリケートでわずか数日しか生存させることができなかったため、平成25年度は一度しか飼育実験が行えなかった。しかしながら、本海綿に含まれる微生物については、生存中に海綿からメッシュ等で分離したものを凍結保存しており、これらについて成分のメタボローム解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フィールドワークのための予備的研究は上にのべているように、採集、飼育、成分分析、活性評価、共生微生物の分離・解析の各項目について、おおむね順調に進んでいる。しかしながら、昨年度後期より学科主任に就任したため、長期の海外出張ができる期間が限られてしまった結果、昨年度予定していた予備的な訪問のスケジュール調整がかなわなかった。

今後の研究の推進方策

今年度は昨年度の研究を継続して進めるとともに、現地でのフィールド調査を実施する。昨年度予備的な調査訪問がかなわなかったため、現地に長期滞在して研究実績のある九州大学の宮本智文教授に、現地での研究活動を滞りなく進めるための準備について助言を得られるよう、協力の確約を取り付けている。

次年度の研究費の使用計画

残額が少額であるため0円となるような使用法がなかったため。
平成26年度の予算に組み込んで消耗品などとして使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cinanthrenol A, an Estrogenic Steroid Containing Phenanthrene2014

    • 著者名/発表者名
      Koshi Machida, Takahiro Abe,Daisuke Arai, Mayumi Okamoto, Isao Shimizu, Nicole J. de Voogd,Nobuhiro Fusetani, Yoichi Nakao
    • 雑誌名

      Org. Lett.

      巻: 16 ページ: 1539-1541

    • DOI

      10.1021/ol5000023

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Insights on pregnane-X-receptor modulation. Natural and2014

    • 著者名/発表者名
      Valentina Sepe, Claudio D’Amore, Raffella Ummarino, Barbara Renga, Maria Valeria D’Auria, Ettore Novellino, Annamaria Sinisi, Orazio Taglialatela-Scafati, Yoichi Nakao, Vittorio Limongelli, Angela Zampella, Stefano Fiorucci
    • 雑誌名

      Eur. J. Med. Chem.

      巻: 73 ページ: 126-134

    • DOI

      10.1016/j.ejmech

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規天然化合物shinanthrene Aとそのエストロゲン活性2013

    • 著者名/発表者名
      5. 町田光史、岡本真由美、清水功雄、新井大祐、伏谷伸宏、中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] H3K9アセチル化誘導活性を有する海洋天然化合物の探索2013

    • 著者名/発表者名
      10. 神平梨絵、喜納惟斗、林陽子、木村宏、新井大祐、中尾洋一
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131206

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公開日: 2015-05-28  

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