中国横断山脈地域における植物進化・分化の化学的遺伝的側面からの理解

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25303010
• 研究機関: 立教大学
• 研究代表者: 黒田 智明 立教大学, 理学部, 教授 (40158887)
• 研究分担者: 兼目 裕充 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (10399438) ; 臼杵 克之助 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30244651) ; 花井 亮 立教大学, 理学部, 教授 (30287916) ; 齋藤 義紀 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30441588) ; 岡本 育子 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (30598610) ; 八百板 康範 東北医科薬科大学, 薬学部, 准教授 (40296017) ; 大崎 愛弓 日本大学, 文理学部, 准教授 (50161360) ; 中島 勝幸 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (80299338)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 中国横断山脈 / 多様性 / 天然物化学 / 系統樹 / 国際研究者交流

研究実績の概要

本年度は通算15年以上に渡る関連プロジェクトの中で、初めて青海省内の本格的調査を実施した。調査は主に青海省南東部の山岳地帯の標高4000 mを超える地域にて行った。南東部の久治県、達日県、甘徳県、瑪沁県ではLigularia、Salviaなどを採集したが、そこから西に進んだ瑪多県方面では調査対象の種のみならず植物自体がほとんど見られなかった。中南部の曲麻莱県、玉樹市方面ではL. virgaureaなどを採集したが、植物の種類は限られていた。昆明への帰路、四川省白玉県、甘孜県方面の再調査を行い、L. sagittaをはじめとする幾つかの試料を得た。帰国後直ちに行ったTLC分析ではL. virgaureaにおけるさらなる多様性の存在、L. virgaureaとL. liatroidesとの成分類似性などが示された。Salvia属、Eupatorium属、Aconitum属なども昨年度に引き続き採集した。
並行して昨年度までに採集した試料の分析を行った。雑種成分の分析を中心に行い、L. duciformisとL. cyathicepsの雑種からはL. cyathicepsの成分が多く得られることを明らかにした。L. subspicataとL. cyathicepsとの雑種からは新規化合物を含む多くのエレモフィラン化合物を得た。L. tongolensisとL. cymbuliferaの雑種の成分は産地によって違いが見られたが、いずれの個体からもL. cymbuliferaの主成分であるtetradymolが得られた。また、L. tongolensis集団の中で、L. cymbuliferaとの交雑を経てtetradymol生産型が浸透している例が見つかった。
以上について、１０月と３月に研究報告会を実施して成果を共有した。３月の会には昆明植物研究所の研究員も参加した。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [国際共同研究] 昆明植物研究所(中国)
  • 国名: 中国
  • 外国機関名: 昆明植物研究所
• [雑誌論文] Enzymatic oxidation of ellagitannin and a new ellagitannin metabolite from Camellia japonica leaves (2017)
  • 著者名/発表者名: T. Tsujita, Y. Matsuo, Y. Saito, T. Tanaka
  • 雑誌名: Tetrahedron 巻: 73 ページ: 500-507
  • DOI: org/10.1016/j.tet.2016.12.027
  • 査読あり
• [雑誌論文] New Eremophilane-type Sesquiterpnens from Ligularia cymbulifera (2017)
  • 著者名/発表者名: T. Kato, H. Hirota, C. Kuroda, X. Gong, A. Ohsaki
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 12 ページ: in press
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Chemical diversity in Ligularia oligonema (2017)
  • 著者名/発表者名: C. Kuroda, K. Inagaki, Y. Okamoto, M. Tori, R. Hanai, H. Yamada, H. Nagano, X. Gong
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 12 ページ: in press
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Structure Revision of 5beta,6beta-Epoxy-(22E)-ergosta-8,22-diene-3beta,7beta-diol from the Gorgonian Pinnigorgia sp. (2017)
  • 著者名/発表者名: Y. Yaoita, K. Machida
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 12 ページ: in press
  • 査読あり
• [雑誌論文] Three New Eremophilanes from Ligularia Hybrid Collected in China (2016)
  • 著者名/発表者名: Y. Saito, Y. Takashima, Y. Okamoto, X. Gong, R. Hanai, C. Kuroda, M. Tori
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 11 ページ: 901-904
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Eudesmane Sesquiterpenoids from the Wood of Platycarya strobilacea (2016)
  • 著者名/発表者名: H. Morikawa, Y. Saito, Y. Matsuo, H. Maeda, T. Tanaka
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 11 ページ: 905-908
  • 査読あり
• [雑誌論文] A new pimarane-type diterpenoid from the seeds of Bowdichia virgilioides (2016)
  • 著者名/発表者名: M. Kubo, M. Uemura, K. Harada, A. Ohsaki, Y. Fukuyama
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 11 ページ: 917-919
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structure Revision of (22E)-24-Methylcholesta-8(14),22-diene- 3beta,5alpha,6beta,7alpha-tetraol from the Marine-Derived Fungus Penicillium sp. (2016)
  • 著者名/発表者名: Y. Yaoita, K. Machida
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 11 ページ: 947-948
  • 査読あり
• [雑誌論文] Chemical and Genetic Study of two Ligularia Hybrids in Shangrila County, Yunnan Province, China (2016)
  • 著者名/発表者名: R. Hanai, S. Tanabe, N. Aoyama, Y. Okamoto, M. Tori, N. Zhang, X. Gong, C. Kuroda
  • 雑誌名: Natural Product Communications 巻: 11 ページ: 1057-1060
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Chemical Constituents in Hybrids of Ligularia tongolensis and L. cymbulifera: Chemical Introgression in L. tongolensis (2016)
  • 著者名/発表者名: A. Shimizu, R. Hanai, Y. Okamoto, M. Tori, J. Yu, X. Gong, C. Kuroda
  • 雑誌名: Chemistry and Biodiversity 巻: 13 ページ: 837-844
  • DOI: 10.1002/cbdv.201500227
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] C-配糖体型エラジタンニンの立体配座解析ならびに camelliatannin G および I の立体配置 (2017)
  • 著者名/発表者名: 若松初実，辻田高明，松尾洋介，齋藤義紀，田中 隆
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] 薬用植物タコノアシの抗酸化ポリフェノール成分 (第4報) (2017)
  • 著者名/発表者名: 江良真名美，松尾洋介，齋藤義紀，姜 志宏，田中 隆
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] Goupiolone B の構造訂正ならびに合成 (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉田綾音，松尾洋介，齋藤義紀，田中 隆
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] Characterization of proanthocyanidin oligomers of Ephedra sinica (2017)
  • 著者名/発表者名: J. J. Orejola, Y. Matsuo, Y. Saito, T. Tanaka
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] Erythrina velutinaの化学成分の探索 (2017)
  • 著者名/発表者名: 轟 和幸，松崎桂一，大崎愛弓
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] 中国産Salvia属植物の成分研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 桑田佳奈，川邊浩史，Xun Gong 廣田 洋，大﨑愛弓
  • 学会等名: 日本薬学会第137年会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2017-03-24 – 2017-03-27
• [学会発表] 中国産雲南省産Ligularia oligonemaにおける試料間の成分の違い (2017)
  • 著者名/発表者名: 黒田智明、稲垣 航、岡本育子、通 元夫、花井 亮、Gong Xun
  • 学会等名: 日本化学会第97春季年会
  • 発表場所: 慶応義塾大学日吉キャンパス（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2017-03-16 – 2017-03-19
• [学会発表] Goupiolone B の構造訂正 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉田綾音、松尾洋介、齋藤義紀、田中 隆
  • 学会等名: 第33回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 鹿児島大学郡元キャンパス（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2016-12-03 – 2016-12-04
• [学会発表] 中国産Aconitum属植物の成分研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 日高基貴、齋藤義紀、松尾洋介、Gong Xun、田中 隆
  • 学会等名: 第33回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 鹿児島大学郡元キャンパス（鹿児島県鹿児島市）
  • 年月日: 2016-12-03 – 2016-12-04
• [学会発表] 中国雲南省産Ligualria lankongensisより得られた含塩素ビサボラン型セスキテルペン (2016)
  • 著者名/発表者名: 齋藤義紀・岡本育子・松尾洋介・田中 隆・黒田智明・Gong Xun
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 中国産Ligualria virgaureaの新規化学成分と多様性（５） (2016)
  • 著者名/発表者名: 中島勝幸・速水智加・小野弘嗣・岡本育子・Gong Xun・黒田智明・花井 亮・通 元夫
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 中国産Ligualria liatroidesの新規化学成分 (2016)
  • 著者名/発表者名: 岡本育子・谷口瑞穂・花井 亮・中島勝幸・Gong Xun・黒田智明・通 元夫
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 中国雲南省香格里拉県産の２つのLigualria 雑種の化学成分 (2016)
  • 著者名/発表者名: 花井 亮・田邊沙也子・青山奈央・岡本育子・通 元夫・張 寧寧・Gong Xun・黒田智明
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 中国四川省および重慶市産Ligualria fischeriの成分系列 (2016)
  • 著者名/発表者名: 黒田智明・柴山千絵美・井上恭輔・岡本育子・通 元夫・齋藤義紀・花井 亮・Gong Xun
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 数種のキク科植物より得られたエレモフィレノライドの構造訂正 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八百板康範，町田浩一
  • 学会等名: 第60回香料テルペンおよび精油化学に関する討論会
  • 発表場所: 東京農業大学オホーツクキャンパス（北海道網走市）
  • 年月日: 2016-10-29 – 2016-10-30
• [学会発表] 中国産Salvia maximowicziana およびS. grandifoliaの成分研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 川邊浩史、廣田洋、Gong Xun、大崎愛弓
  • 学会等名: 第２１回天然薬物の開発と応用シンポジウム
  • 発表場所: 千葉大学薬学部（千葉県千葉市）
  • 年月日: 2016-10-27 – 2016-10-28
• [学会発表] 2種の高度に酸素官能基化されたステロールの構造訂正 (2016)
  • 著者名/発表者名: 八百板康範，町田浩一
  • 学会等名: 第55回日本薬学会東北支部大会
  • 発表場所: 奥羽大学（福島県郡山市）
  • 年月日: 2016-09-25 – 2016-09-25
• [学会発表] Securinega suffruticosa の成分探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 児玉佳之、久保美和、松崎佳一、福山愛保、廣田洋、大崎愛弓
  • 学会等名: 日本生薬学会第６３回年会
  • 発表場所: 富山国際会議場（富山県富山市）
  • 年月日: 2016-09-24 – 2016-09-25
• [学会発表] Ligularia cymburifera の成分探索 (2016)
  • 著者名/発表者名: 加藤隆大、廣田洋、黒田智明、大崎愛弓
  • 学会等名: 日本生薬学会第６３回年会
  • 発表場所: 富山国際会議場（富山県富山市）
  • 年月日: 2016-09-24 – 2016-09-25
• [学会発表] 中国四川省産Ligularia brassicoidesおよびLigularia liatroidesの化学成分と塩基配列 (2016)
  • 著者名/発表者名: 齋藤義紀，谷口瑞穂，佐々木陽子，三浦 唯，岡本育子，中島勝幸，大崎愛弓，永野 肇，八百板康範，Gong Xun，花井 亮，黒田智明，通 元夫
  • 学会等名: 第58回天然有機化合物討論会
  • 発表場所: 東北大学川内北キャンパス（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-09-14 – 2016-09-16
• [学会発表] Chemical constituents of hybrids between Ligularia duciformis/Ligularia nelumbifolia and other Ligularia species (2016)
  • 著者名/発表者名: C. Kuroda, S. Tanabe, N. Aoyama, Y. Suzuki, H. Yamada, H. Nagano, R. Hanai, Y. Okamoto, M. Tori, X. Gong, Y. Saito
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [学会発表] Chemical constituents of hybrids of Ligularia cyathiceps and Ligularia lamarum/Ligularia subspicata collected in China (2016)
  • 著者名/発表者名: Y. Saito, Y. Takashima, M. Ichihara, Y. Okamoto, X. Gong, R. Hanai, C. Kuroda, M. Tori
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [学会発表] Chemical constituents Ligularia liatroides collected in China (2016)
  • 著者名/発表者名: Y. Yaoita, Y. Okamoto, R. Hanai, N. Aoyama, X. Gong, C. Kuroda
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [学会発表] Ellagitannin Metabolism in the Leaves of Camellia japonica (2016)
  • 著者名/発表者名: T. Tsujita, Y. Matsuo, Y. Saito, T. Tanaka
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [学会発表] Chemical Constituents of Salvia Species Collected in Sichuan Province of China (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Kuwada, H. Kawabe, Y. Saito, Y. Okamoto, M. Tori, X. Gong, H. Hirota, A. Ohsaki
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [学会発表] New Erythrina Alkaloids from Erythrina velutina (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Todoroki, H. Hirota, A. Ohsaki
  • 学会等名: International Symposium on Natural Products for the Future 2016
  • 発表場所: 徳島文理大学（徳島県徳島市）
  • 年月日: 2016-09-01 – 2016-09-04
  • 国際学会
• [備考] 中国横断山脈地域産植物の多様性に関する研究グループ
  • URL: http://www2.rikkyo.ac.jp/web/kuroda/hengduan.html