研究課題/領域番号 |
25303013
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
呉 景龍 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (30294648)
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研究分担者 |
阿部 康二 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20212540)
高橋 智 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (20236277)
金澤 右 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20243511)
楊 家家 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (30601588)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症 / 早期診断 / 国際基準 / 臨床実験 |
研究実績の概要 |
認知症は高次脳機能障害であり,その早期診断はアンケート式の問診だけに止まり,早期診断の技術およびその国際基準がまだ確立されていない.本計画では,代表者らの今までの認知症早期診断に関する研究成果を生かして,まず,認知症早期診断に関する1)最先端研究状況の海外調査,2)標準化実験装置と客観的検査方法の研究開発,3)国際的臨床実験の実施,および4)認知症早期診断の国際基準を提案する.本年度実施した内容は下記のとおりである. 1)認知症早期診断の最先端研究状況の海外調査研究 認知症病理研究の最新動向,認知機能・脳波・fMRI 脳画像の臨床検査方法について,海外の研究者を通じて最先端技術の調査研究を行った. 2)標準化実験装置と客観的検査方法の研究開発 脳波・脳機能画像の装置と方法,認知・記憶機能の装置と方法について,国内外の調査研究を行った. 3)国際的臨床認知機能検査,脳波検査,fMRI 脳画像検査の3 種類の実験について,日本,中国,韓国,欧米の病院・施設に対して実験結果の提供を依頼した.特に中国の北京301病院と首都医科大学宣武病院で,高齢者,認知症患者に対する触覚検査装置を用いた大規模な臨床実験を実施し,その有効性について検討を継続的に行っている. さらに,得られた離散データ,波形データと画像データに対して,認知データ・脳波・脳画像を多変量解析、主成分分析などの最適化手法を用いて統合的解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、認知症の早期診断はアンケート式の問診だけに止まり,早期診断の技術およびその国際基準がまだ確立されていない.本計画では,認知症早期診断に関する1)最先端研究状況の海外調査,2)標準化実験装置と客観的検査方法の研究開発,3)国際的臨床実験の実施,および4)認知症早期診断の国際基準を提案する. 本年度は下記の調査研究内容が予定され,ほぼ計画とおりの結果が得られたので,おおむね順調に進展していると思われ,具体的な内容は下記のとおりである. 計画内容の1)としては,「認知症早期診断の最先端研究状況の海外調査研究」であり,進展状況としては(a)認知症病理研究の最新動向と(b)認知機能・脳波・fMRI 脳画像の臨床検査方法の側面から,海外の協力研究者を通じて調査研究を行って最先端の動向を継続して把握している.計画内容の2)としては,「標準化実験装置と客観的検査方法の研究開発」であり,進展状況としては (a)脳波・脳機能画像の装置と方法と(b)認知・記憶機能の装置と方法について,国内外の調査研究を行って関連成果を得た.計画内容の3 )としては,「国際的臨床実験」であり,進展状況としては (a)認知機能検査,(b)脳波検査と(c)fMRI 脳画像検査の3 種類の臨床実験について,日本,中国,韓国,米国と英国の病院・施設に対して実験結果の提供をお願いした.特に日本と中国の北京301病院と首都医科大学宣武病院で,高齢者,認知症などの患者に対する触覚検査装置を用いた大規模な臨床実験を実施し,その有効性について検討を行っている. さらに,「臨床実験結果と調査データの統合的解析方法の研究開発と標準化」の研究計画として,得られた離散データ,波形データと画像データに対して,認知データ・脳波・脳画像を多変量解析、主成分分析などの最適化手法をを用いて統合的解析を行った. これらの研究成果を英文図書にまとめて公開する準備も推進されている。
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今後の研究の推進方策 |
今後,1)認知症早期診断の最先端研究状況の海外調査研究 (a)認知症病理研究の最新動向と(b)認知機能・脳波・fMRI 脳画像の臨床検査方法;2)標準化実験装置と客観的検査方法の研究開発 (a)脳波・脳機能画像の装置と方法,(b)認知・記憶機能の装置と方法;3)国際的臨床実験 (a)認知機能検査,(b)脳波検査と(c)fMRI 脳画像検査;4)臨床実験結果と調査データの統合的解析方法の研究開発などの内容について.継続して実施する.認知機能検査については,実験装置と検査方法の改良,認知機能測定,脳波検査とfMRI脳画像計測の標準化に向けた検討を行う.また,最新研究状況の海外調査研究として,認知症病理と早期診断の調査研究を継続的に実施する.特に中国の北京301病院と首都医科大学宣武病院で臨床実験研究を強化する。 さらに,認知症早期診断の国際基準の提案を目指して標準化装置と国際的診断基準に関する情報収集も行う.これらの研究成果を英文図書にまとめて公開することを推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を早期に実施する必要となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に,平成28年度分を使用して前倒しで実験を行っており,全体の研究計画においては変更はない.平成27年度に実施した実験結果を早期に解析し,結果について考察する.
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