研究課題
タイ湾奥部サムサコン県コーカム村の竹消波堤を用いたマングローブ再生域(バンブーサイト)と同サムットプラカン県バンプ―市の石積堤を用いたマングローブ再生域(リベットメントサイト)において,測量,空中写真によるマングローブ再生状況の把握を継続した.バンブーサイトでは地形が比較的安定しており,管理事務所から近い岸側中央においてマングローブ再生域が拡大している様子が捉えられた.この再生域は管理事務所から近いこともあって,しばらく人手による積極的な介入がなされ,ある程度の規模に達した後,急速に広がったことが明らかとなった.一方,それ以外の領域ではほとんど再生が進んでおらず,再生のトリガーとなる条件の存在が推察された.一方,リベットメントサイトでは,マングローブ林が繁茂し,飽和状態に達しつつある様子が捉えられ,再生手法の有効性が確認された.一方,再生域がリベットメントによって断絶するため,マングローブ再生に向けた拡大方策について考察した.インドネシア・スバン県において,広大なマングローブ林の再生が進んでいる,チプナガラ川河口域において,土砂濃度,流速,地形把握に関する調査を行い,この河口デルタ域の拡大過程の把握と土砂輸送量の推算を行った.同川東側ではパティムバン新港の建設が予定され,港内埋没の懸念があること,および同川西側が深刻な海岸線後退の状況にあることから,同川における新放水路建設の検討等について,行政や住民へのインタビュー調査を行い,課題を整理した.さらに,同川西側のポンドクバリでは深刻な海岸線の後退が明らかとなっているが,大潮時の調査を実施し,街中が大浸水する状況を捉え,住民および行政へのインタビューを行った.その結果,同地域は相対的な海面上昇への適応に積極的に取り組み,マングローブ再生や土砂輸送の人為的改変を含む,地域を持続させるための方策の重要性が確認された.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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