研究課題/領域番号 |
25303025
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀 賀貴 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20294655)
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研究分担者 |
池口 守 久留米大学, 文学部, 准教授 (20469399)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ポンペイ / ヘルクラネウム / オスティア / リバースエンジニアリング / 上部構造 / モザイク / 交通規制 |
研究実績の概要 |
本研究は,イタリアにおける3大ローマ都市遺跡,ポンペイ,ヘルクラネウム,オスティアにおいて,レーザー・スキャニング技術を通じて調査データを3次元化し,その密度,精度を飛躍的,革新的に向上させ,建築・都市遺構をリバースエンジニアリング的発想により,その設計,建築プロセスを復元,理解することを目的とした。具体的なテーマ以下の三点であり,期待を上回る成果を得た。加えて,新しい課題の発券も含め,さらなる研究の発展が見込まれる。 1)上部空間の構成原理について,ポンペイに変えてより残存状況の良好なヘルクラネウムにおいて調査を行った。地上階と上階の隔壁の配置を比較したところ古代ローマにおける一般的な住宅においては,多層建築物であっても壁体配置に構造的合理性がないことが判明した。同時代を代表する大規模構築物における構造技術とは異質と考えられる。 2)モザイクと建築空間の関連性については,オスティアのミューズのインスラにおいて,各室のモザイクの配置を詳細に検討した結果,お互いに直交,並行関係をもつモザイクのグループが確認され,そのグループが建築空間の機能と対応していることが判明した。本成果は建築学会の論文として発表済みである。 3)リスク管理空間としての都市については,ポンペイの轍の分析を通じて,都市門を通過する荷車交通の実態の一部を解明した。最新の研究では,両側交通が可能な街路については,右側通行が可能との説が有力になっているが,本研究では道路の中央を走る荷車の轍が多く確認され,こうした交通規制は確認できなかった。また,門に荷車がすれ違えるほどの幅がなく,荷車の待避場が整備されていることを指摘した。本成果は建築学会の論文として発表済みである。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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