研究課題
イランのザグロス造山帯はプレートの沈み込み・衝突などに伴う火成活動が活発な地域であり、これらの火成活動はこの地域に数多く分布する金属・非金属鉱床の主要な生成要因の1つである。本調査研究の目的は、Rb-Sr、Sm-Nd系などの年代法を駆使し、火成活動の年代だけでなく熱水性鉱床、堆積鉱床の年代を明らかにし、鉱物学的・化学的データを併せて成因解析を行うことである。最終年度の4年目は、平成28年4~5月(12日間)と9~10月(11日間)の2回の現地調査を行った。1回目の調査は、代表者、分担者1名、協力者7名(イラン側の研究者1名と大学院生6名)の計9名で、2回目の調査は、代表者、分担者1名、協力者11名(日本からの研究者1名と大学院生2名、イラン側の研究者3名と大学院生5名)の計13名で実施した。調査は前年度に引き続き、ザグロス山脈北西部の磁鉄鉱鉱床や金鉱床が分布するSaqqez-Baneh地域と、磁鉄鉱ー燐灰石(IOA)鉱床が分布するZanjan地域で行った。採取した約80試料の火成岩と鉱石について、化学分析とRb-Sr、Sm-Nd系の同位体分析を行うとともに、一部の試料に対してジルコンU-Pb年代測定も行った。Saqqez-Baneh地域の花崗岩・閃緑岩岩体については、従来考えられていた古生代またはそれ以前の年代の岩体の分布が小さく、白亜紀中期の岩体が広く分布することが明らかとなった。この地域の磁鉄鉱鉱床等の形成は、白亜紀のアラビアプレートの沈み込みに伴う火成活動に関連する可能性が高い。また、Zanjan地域のIOA鉱床については、Sr-Nd同位体および希土類元素の分析から、マグマ熱水性鉱床の可能性が示唆された。10月1~2日には、イラン・クルジスタン大学において国際ワークショップを開催し、4年間の調査研究の総括を行うとともに将来の研究計画について議論を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 7件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 17件、 招待講演 7件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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