• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

親潮流路にある島嶼生物の側所的進化と適応放散-極東域生物相形成史の解明を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 25304011
研究機関北海道大学

研究代表者

宗原 弘幸  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (80212249)

研究分担者 古屋 康則  岐阜大学, 教育学部, 教授 (30273113)
安房田 智司  新潟大学, 自然科学系, 助教 (60569002)
矢部 衛  北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (80174572)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードカジカ / 寒冷適応 / 不凍タンパク質遺伝子 / 分子系統 / 北太平洋沿岸 / 北極海 / スクーバ潜水
研究実績の概要

本年度は、7月約2週間、カナダバンクーバー島とアラスカウナラスカ島に渡航し、スキューバ潜水によるカジカ類の標本採集と不凍タンパク質発現実験を実施した。ウナラスカ島は、前年度3月にも渡航し、冬季の採集と実験を行っている。その際にホルマリン固定が不十分だったため持ち帰らなかったので、それらの標本の回収も兼ねた渡航である。
バンクーバー島は、北大から研究代表者の宗原と大学院生の大友洋平、岐阜大学の古屋康則教授(生殖生理学)、新潟大学の安房田智司助教(行動生態学)、潜水調査安全管理者の佐藤長明(プロ水中カメラマン)の5名で、ウナラスカ島は、実習のため帰国する古屋氏、安房田氏に代わり、不凍タンパク研究の北大院生山崎彩が加わった。
帰国後、前年までに採集した標本を含め、直ちに分析を開始し、得られた成果は、以下のような、分子系統に関したものと不凍タンパク質遺伝子の構造と機能に関したものに分けられる。
分子系統:カジカ上科6科47属92種について、ミトコンドリア遺伝子3座および核遺伝子1座を用いた解析から、カジカ上科魚類では少なくとも2回,浅海域から沖合へ進出したグループが存在すること,極東域に固有なニジカジカグループと北太平洋東岸に固有なOligocottinaeは、それぞれが独立して進化した可能性が支持されたこと、浮き袋消失により水圧変化による垂直分布制約の回避により、大規模な適応放散が可能となったことなどが明らかになった。
不凍タンパク質遺伝子:北極カジカ類の分子系統およびギスカジカより単離した不凍タンパク質(AFP)タイプ1遺伝子の解析から、北極カジカ類各種の進出時期,ギスカジカ属の不凍活性とAFP遺伝子構造,アイソフォームの多様性とその多様性の意義などを明らかにすることができ、これらの結果をもとに、カジカ科魚類の寒冷地適応について考察した。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

27年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] metamorphosis and extreme sexual dimorphism in lumpsuckers: Identification of the synonyms Eumicrotremus asperrimus (Tanaka, 1912), Cyclopteropsis bergi Popov, 1929 and Cyclopteropsis lindbergi Soldatov, 1930.2015

    • 著者名/発表者名
      Hatano, M., T. Abe, T. Wada and H. Munehara
    • 雑誌名

      Journal of Fish Biology

      巻: 86 ページ: 1121-1128

    • DOI

      10.1111/jfb.12627

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Identification of larvae of two Gymnocanthus (Cottidae) species based on melanophore patterns2015

    • 著者名/発表者名
      Yamazaki, A. and H. Munehara
    • 雑誌名

      Ichthyological research

      巻: 62 ページ: 240-243

    • DOI

      10.1007/s10228-014-0429-4

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] カジカ上科魚類6科47属92種から見た本上科の分子系統2016

    • 著者名/発表者名
      富樫孝司・山崎彩・安房田智司・古屋康則・阿部拓三・鶴岡理・アレックス マルケビッチ・宗原弘幸
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学(東京都港区)
    • 年月日
      2016-03-27
    • 国際学会
  • [学会発表] ホヤやカイメンに卵を預ける魚の産卵場所選択と産卵管の進化2015

    • 著者名/発表者名
      安房田智司・佐々木晴香・後藤智仁・古屋康則・武島弘彦・山崎彩・宗原弘幸
    • 学会等名
      日本水産学会北海道支部会
    • 発表場所
      東京農業大学(北海道網走市)
    • 年月日
      2015-12-18
  • [学会発表] ベーリング海およびチャクチ海におけるカジカ科魚類の分布と気候変動に対する応答について2015

    • 著者名/発表者名
      山崎彩・中野翼・宗原弘幸
    • 学会等名
      日本水産学会北海道支部会
    • 発表場所
      東京農業大学(北海道網走市)
    • 年月日
      2015-12-18
  • [学会発表] 日本近海の浅海性魚類の比較系統地理-沿岸性カジカ科魚類を例に2015

    • 著者名/発表者名
      野原 健司・佐久間 啓・安房田 智司・宗原 弘幸・矢部 衛・坂井 恵一・作田 純輝・岩田 陽介・佐久間 恵介・松野 太亮・峯岸 岳弘
    • 学会等名
      日本魚類学会
    • 発表場所
      近畿大学(奈良県奈良市)
    • 年月日
      2015-09-05
  • [学会発表] ギスカジカ属4種の不凍タンパク質アイソフォーム多型と不凍活性2015

    • 著者名/発表者名
      山崎彩・津田栄・西宮佳彦・宗原弘幸
    • 学会等名
      日本進化学会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府高槻市)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-24

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi