研究課題/領域番号 |
25304014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
立田 晴記 琉球大学, 農学部, 准教授 (50370268)
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研究分担者 |
辻 瑞樹 琉球大学, 農学部, 教授 (20222135)
二見 恭子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)
足達 太郎 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (50385506)
溝田 浩二 宮城教育大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00333914)
熊野 了州 琉球大学, 農学部, 研究員 (90621053)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / マダガスカル / ベナン / ナイジェリア / ケニア / アリモドキゾウムシ / ツヤオオズアリ / 侵入種 |
研究概要 |
2013年度はアフリカ各地で研究用標本の分布調査と採集を実施した.アリモドキゾウムシについては,マダガスカル,ケニア,ナイジェリア,ベナンにて調査を実施した.文献に記載があったように,南西諸島に侵入しているCylas formicariusについては,マダガスカルを除く国では捕獲できなかった.その一方で,C. formicariusと近縁なC. puncticollisが各所で見つかった.特にベナンでは,C. cyanescens成虫も捕獲され,アフリカ大陸ではC. formicariusの近縁種が多く分布していることがわかった.またケニアとは研究協定締結のための書類の取り交わしを行った.2014年度から協定に基づき,捕獲サンプルの貸し出しと分析が正式に可能になる.ツヤオオズアリについては,南西諸島でのサンプリングの他,マダガスカルで新たにサンプリングを実施した.イトダニの寄生も確認できた. DNA情報の取得に関して,アリモドキゾウムシではマダガスカル産のC. formicariusを解析したところ,異なる集団のクレードが1つにまとまらず,系統的に離れた関係であることが示された.またマダガスカルの一部の集団の個体は,インド集団と同じクレードを形成した.これらの解釈は難しいが,少なくとも現在分布しているマダガスカルのC. formicariusは単一起源ではないことが伺える.また現在次世代シーケンサーを使ったC. formicariusのマイクロサテライト探索を行っている.ツヤオオズアリについても,今後逐次DNA解析を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査,サンプリング,解析ともに,今のところまずまず順調に推移している.懸案事項だった材料の持ち出し許可についても,時間はかかったがクリアできる目処がついた.今後も現地のカウンターパートと良好な関係を維持していくことが極めて重要である.
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今後の研究の推進方策 |
26年度は,各国での調査とサンプリングの継続,また採集された標本のDNA解析を行っていく.アリモドキゾウムシでは,得られている系統樹に,他集団の結果を載せる.また核遺伝子を追加して解読する.これと平行して,次世代シーケンサーを使って得られる情報を元に,SSRプライマーを設計し,集団内の多型チェックをする.またツヤオオズアリについては,アリの他,寄生しているイトダニのDNAも抽出し,大まかな系統樹を作成する.
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次年度の研究費の使用計画 |
調査費用を当初多めに見積もっていたことと,人件費が当初の見積もりよりも安くなった事に起因する. 昨年の残額については,今年度の現地調査に必要な人件費,委託費,また旅費に費やす予定である.
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