研究課題/領域番号 |
25304023
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
志和地 弘信 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (40385505)
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研究分担者 |
遠城 道雄 鹿児島大学, 農学部, 教授 (60194651)
朴 炳宰 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (00538879)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 育種学 / 作物学 / 農業経済学 / 国際協力 |
研究概要 |
孤児作物(Orphan Crop)とはある地域で重要であるが品種や栽培の改善が進んでいない作物を指す。世界で約5千万トン生産されるヤムイモは、その96 %が西アフリカで生産されており、地域の食料として重要な作物であるが孤児作物として区分されている。申請者らは科学研究費の助成を受けてCGIARの国際熱帯農業研究所(IITA)とヤムイモの生産性改善に関する研究を行ってきた。これまでの研究により品種改良の期間を大幅に短縮する「新しい種苗生産」技術を開発し、ビル&メリンダゲイツ財団支援の「Yam Improvement for Income and Food Security in West Africa」プロジェクトで西アフリカ各国の試験場に技術移転を開始した。本研究では育種および栽培技術のさらなる改善を行って、ヤムイモなどの生産性を飛躍的に向上させることを目的とし、1)ヤムイモの集約栽培における施肥技術の確立、2)ヤムイモ生産の機械化技術の開発、3)染色体数の倍化による新品種の開発、4)イモ類の生産性改善が農家の収益やバリューチェーンに及ぼす影響を調査を実施した。 これまでの研究において、ヤムイモ生産の機械化技術が実用化できたことから、2013年10月にガーナで開催された第1回世界ヤムイモ会議で技術の紹介を行った。また、機械化生産に適した選抜品種の増産と普及の促進のために、試験地の宮古島市と連携協定を結んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヤムイモの集約栽培における施肥技術の確立に関する研究では、窒素肥料に対する反応の品種間差異があること明らかにし、さらにヤムイモ植物体による窒素固定の可能性を認めた。ヤムイモ生産の機械化技術の開発については作業機械のプロトタイプを作製し、実際の作業で有用であることを確認した。また、機械化生産に適した品種の選抜を行うとともに、選抜品種の増産の支援と普及の促進のために、試験地の宮古島市と連携協定を結んだ。染色体数の倍化による新品種の開発では、ヤムイモ3種の7系統において染色体数を倍化させる基本的な技術をナイジェリアの研究施設で確立できた。これらの技術を農家レベルで普及した場合の影響についてガーナでの現地調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ヤムイモの集約栽培における施肥技術の確立では、ヤムイモが窒素固定をしている可能性が考えられたことから、窒素固定菌の探索について鹿児島大学と連携して実験を進める。ヤムイモ生産の機械化技術の開発については、機械化生産に適した選抜品種の種苗登録をする。染色体数の倍化による新品種の開発では、染色体数が倍加した個体について形質特性の変化を調査する。西アフリカにおけるイモ類のバリューチェーンについてガーナで調査を行う。
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