研究課題/領域番号 |
25304026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松田 陽介 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (30324552)
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研究分担者 |
木佐貫 博光 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00251421)
谷川 東子 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 研究員 (10353765)
奈良 一秀 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60270899)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | イチヤクソウ / 菌根菌 / DNA / ベニタケ属菌 |
研究概要 |
イチヤクソウ(Pyrola japonica)の根に定着する菌根菌を明らかにするため,異なる生息地,異なる時期に由来する個体の菌根形成に関わる菌類の推定を行った.三重県津市内のイチヤクソウが生育する3林分を調査地とした.2012年4月と8月に各調査地から3個体のイチヤクソウ,合計18個体を採取した.各イチヤクソウ個体から菌根の形成が確認された根端を5mmの断片に切断し,合計29断片(1-5断片/個体)からDNA抽出を行った.菌特異的プライマーを用いてrDNA ITS領域のPCRを行い,クローニングにより1断片から20コロニーをシークエンス解析に用いた.得られた配列はBLAST解析により最相同する属群に類別した.塩基配列の決定に成功した500 bp以上の83.0 %(480/580配列)をBLAST解析に供試した.その結果,最相同配列の93%が担子菌類に属していた.全配列の78.1 %がベニタケ属菌の配列と最も相同しており,2番目,3番目に多かったのは,ウラムラサキ(9.8 %),アテリア科菌(4.2 %)であった.これら上位3分類群のいずれもが樹木の細根に外生菌根を形成する菌として知られている.最優占したベニタケ属菌は全調査地,全個体から検出された.以上より,イチヤクソウは樹木に外生菌根を形成する菌を共有している可能性があり,ベニタケ属菌による寡占性は,イチヤクソウが本属菌に特異性があることを示唆している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イチヤクソウに関わる共生菌類の実態解明の一端を遂行することができた.海外での調査は踏査にとどまっているものの,次年度に推敲のめどが立った
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今後の研究の推進方策 |
海外における調査実施において,円滑な調査をすすめるため,受け入れ研究者と一層の議論をe-mail,skypeなどをとおして行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
海外調査を予定していたが,先方との日程調整が上手くいかず,十分な日程が取れなかったため. 調査実施することができなかった国で試料採取を行うための予算を計上するとともに,その後の解析のための予算を割り増しして計上する.
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