研究実績の概要 |
ブラジル北部パラー州ブラガンチーナ地方の日系・非日系農家の営農実態と、日系遷移型アグロフォレストリーの普及状況について、前年度からの調査を継続した。この過程で、アマゾン原産で日系アグロフォレストリー基幹作物であるカカオは、今日、西アフリカの小農によって国際市場の7割を賄われるものの、彼らの栽培面積は現行モノカルチャーのままでは今後30年間に5分の1に縮小するとの予測を知った。原因の気温上昇に対して、小農が取り得る対策としてはカカオ葉面温度を低下させるアグロフォレストリーが有力視される。そこで、本研究で明らかにした、アマゾンにおける日系遷移型アグロフォレストリーの普及プロセスを元に、今後、同農法の西アフリカへの技術移転について国際共同研究を展開したい。そこで、東京農工大学と協定を締結しているFAOローマ・東京・ガーナ・アフリカ事務所を訪問して担当者と協議し、現地の姉妹大学、研究機関やNGO関係者を招いて以下内容でセミナーを行い、西アフリカでの実証研究について意見を交わした。 1) Sustainable cocoa production and conservation by small family farms under climate change. A. Chitose, S. Kagami, M. Yamada. INCOCOA, Lima, Peru. November 17, 2017. 2) Adapting cocoa-based farming to climate change for increased sustainable income and reduction of hunger in West Africa. M. Yamada. FAO, Rome, Italy. September 22, 2017. 3) Agroforestry System of Tomé-Açu application to cacao plantations in Ghana for improving farm productivity and reducing hunger. M. Yamada. U. Ghana, Accra, Ghana. July 24, 2017.
|