研究課題/領域番号 |
25304037
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
木村 玲二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80315457)
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研究分担者 |
森山 雅雄 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00240911)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 黄砂 / ダスト / 乾燥地 / 北東アジア / 熱収支 / 水収支 / 衛星 / 乾燥度指標 |
研究実績の概要 |
1.積雪の被覆、凍土、地表面の湿潤度、植生の被覆を考慮した東アジア黄砂発生ハザードマップを構築し、セミリアルタイムで更新、インターネット表示できるシステムをパブリック公開した。ハザードマップの中身であるが、積雪の被覆や凍土、地表面が湿っている場合、黄砂の発生はほぼ起こらないと仮定し、黄砂発生の臨界風速を植生の被覆率で関数化して算出し、東アジアを対象に分布図にしたものである。システムは、衛星データを毎日ダウンロードし、各種演算、データ公開、データアーカイブを行うことが出来、誰でも閲覧可能とした。 2.「東アジア黄砂発生監視システム」(高次処理データベース検索表示・公開サブシステム)を構築、公開した。本システムは、全球データ自動ダウンロード・アーカイブサブシステムおよび準リアルタイム衛星データ自動ダウンロード処理サブシステムで作成された衛星画像の検索・表示・解析・ダウンロードなどを行うためのシステムである。将来的な乾燥地研究を鑑み、既存衛星の寿命、新たな衛星の使用を考慮したシステムとなっており、対象は東アジアだけではなく、全球にまで広げたことに特色がある。プロダクトは、臨界風速、植被率、NDVI、雲マスク、雪マスク、7バンド地表面反射率、SbAI(衛星ベースの乾燥度指数)、凍土マスクである。 3.飛砂や黄砂発生のメカニズム解明のための簡易風洞を設計、作成した。本風洞の特色は、スパイヤーとラフネスブロックを併用し、小型風洞で困難であった境界層を生成できることにある。さらに、鉛直方向の風速分布を調整するだけでなく、水平方向の風速分布を均等に調整することも可能である。本研究は、論文公表されただけではなく、日本農業気象学会2016年全国大会において、ベストポスター賞として評価された。今後は、本研究で構築された簡易風洞を黄砂発生メカニズムの解明、発生対策等の環境実験に応用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた「東アジア黄砂発生ハザードマップ」(黄砂発生臨界風速推定アルゴリズム:web公開システム)に地表面湿潤度指標を組み込むことで、植生、積雪、凍土、地表面湿潤度を考慮した黄砂発生の実況および監視システムを向上させるという目標を達成することができた。また、現地観測では実現が難しい飛砂や黄砂発生の実験に関しては、環境をコントロールできる風洞実験が有効であるが、本研究では整流距離の短い安価な小型簡易風洞を作成することに成功した。今後は、本風洞を用い、植生やレキ、クラストの黄砂発生抑制に関する物理的メカニズムを解明し、臨界風速推定の精度向上に努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、衛星データをベースにして黄砂発生監視システムを構築してきたが、既存の黄砂観測ステーション(モンゴル2か所、中国1か所)の観測データとSYNOPによる黄砂発生の現況データを複合的に組み込むことで、最終的な黄砂発生モニタリングシステムの完成に取り組む。また、本研究で設計構築した風洞を用い、植生の柔軟性や構造、レキの被覆率、クラスト崩壊過程の黄砂発生抑制に関する物理的メカニズムを解明し、臨界風速推定の精度向上に努めたい。
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