研究課題
低出生体重児の健康リスクについての報告はあるが、そのリスクの改善法が栄養で対応できるようであれば、将来の生活習慣病の発症リスクは栄養で軽減できる可能性がある。そこで出生時体重の平均が日本よりも低い南アジアの子どもたちの健康診断を実施し、低出生体重の健康リスクの確認を行ったところ、1年目の南インド、2年目のスリランカともに出生時体重の影響よりも出生後の栄養や環境状態の影響が大きい可能性を見出した。2年目の健康診断の24時間採尿の結果で、塩分摂取量が多く、カリウム摂取量が低く、タンパク質摂取量が低い事がわかったため、食事バランスを改善するためにタンパク質の摂取量を増やす介入研究を実施した。タンパク質の摂取量は体タンパク質を増やすためにも重要であり、筋肉量が多いと糖尿病リスクも減ることが報告されている事から、糖尿病罹患率の高いアジア地域にとって、タンパク質の摂取量を増やす事は重要だと考えた。そこで2年目の健診結果をもとに、タンパク質を大豆の粉で食べていただく5か月間の介入研究を実施した。対照群にはココナッツパウダーを摂取してもらい、介入前後の健康診断の結果の変化について検討を行った。参加者には同意も得ていたが大豆の摂取習慣が殆どないため、毎日の食事に大豆の粉を入れて食べていただく事ができない子ども達もいたため、継続摂取をしてくれた子どもたちを大豆群、そうでない子どもたちを非大豆群として解析を行った。その結果、大豆摂取群では24時間採尿中のイソフラボン量が有意に増加し、タンパク質摂取量は非大豆群では減っているにも関わらず大豆群では減ることがなかった。また、筋肉量の変化は有意ではなかったが、基礎代謝量では大豆群が有意に増加していた。そこで3年目は子ども達のデータ数を増やし、さらなるリスク解析を行い、スリランカの子ども達にとって有効な食育プログラムの検討を引き続き行う予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Blood Press.
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doi: 10.3109/08037051.2016.1091157. Epub 2015 Sep 29
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