研究課題/領域番号 |
25305005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30199062)
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研究分担者 |
原田 和生 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (50397741)
住村 欣範 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30332753)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境分析 / 環境政策 |
研究概要 |
ベトナムのメコン河及び紅河の最下流域は世界有数の農畜産物や水産物の生産地であり,日本や欧米への主要な食料供給地域となっている.しかし,近年の流域の急速な発展による水質汚染が深刻化し,生物濃縮による無秩序な農薬や抗生物質の使用による食品汚染も危惧される.本研究では,現地機関との連携による食品の化学物質汚染の実態調査を行い,これに基づいた現地での改善策の提言を目指す. 平成25年度は,まず想定される汚染物質,農薬,保存料,重金属の測定法について,本プロジェクトで運用な可能な手法を検討した.カントー大学,タイビン医科大学との情報交換,現地の家畜飼育施設,水産物養殖施設,公設市場および周辺環境河川の視察を行い,現地労働者からインタビューを行った.また,食品,水のサンプルを回収,前処理を行い,残留農薬,重金属などの解析を行った.その結果,いくつかの化学物質の残留,汚染が頻度良く確認された.さらに環境技術員の研究員を招聘し,より詳細な現地情報を提供頂いた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度はi)農畜産物,水産物を対象とした,生産,流通各工程で人為的に使用されている農薬,保存料,防腐剤等の食品添加物について聞取調査および抜取調査の実施,ii)農畜産物,水産物の生産工程において使用される「河川水」における有害物質の汚染状況の調査を計画し,これらについて具体的な情報を得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は平成25年度に実施した調査研究を継続するとともに,これまでに得られた聞取り調査結果や抜取調査結果を精査・検証し,それぞれの地域での汚染が深刻な化学物質に絞って,さらに対象食品,河川の種類を増やした抜取調査を行う. 具体的には豚肉,鶏肉,水産物として養殖エビ,養殖淡水魚を対象として,その飼育・養殖といった生産,現地市場に至る流通の各工程で人為的に使用されている農薬,保存剤,防腐剤などの食品添加物などについて聞取調査を実施する.また,これらの聞取調査で対象物質の定量的な分析を行う. また,生産工程において使用される「河川水」から生産物に蓄積される有害物質に関する調査を実施する.栽培・飼育・養殖において使用される「河川水」に含まれる有害化学物質(農薬,重金属)の生物濃縮による汚染の実態をICP-MS, LC/MS/MSなどを用いて解析を行い,これまで第三者公的機関が実施した水質調査結果と比較解析調査を行う. さらに,現地の連携機関と共同で「化学物質の人為的使用」と「河川水からの生物濃縮」の視点に立った科学的なエビデンスに基づいた解析と,地域特有の食文化や食品生産方法を考察した文化人類学的な解析を組み合わせることにより,マッピングを行い,水質調査結果などの他の情報を加えてシミュレーションを行うことにより,食品汚染の広域分布予測や今後の経時変化予測を行い,ヒトの健康被害に関する信頼度の高い検証を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は当初予定していた現地住民インタビューなどにおいて謝金が発生しなかったこと,ベトナム研究者の招聘を削減したことが主であり,また消耗品についても当初の予定より節約できたことが挙げられる. 次年度に持ち越した金額は,現地での抜取調査に必要な固相抽出カートリッジ,内部標準試薬,標準試薬などの購入,および日本人研究者のベトナム渡航に充てる予定である.
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