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2013 年度 実績報告書

東南アジア特異に流行するHCVゲノタイプ6の多様性、感染拡大様式及び病原性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25305006
研究種目

基盤研究(B)

応募区分海外学術
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

阿部 賢治  国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (60130415)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードC型肝炎ウイルス / HCVゲノタイプ6変異株 / ウイルスゲノタイプ / 肝癌 / 風疹 / ベトナム / カンボジア / 東南アジア
研究概要

本研究の目的は、東南アジア地域のみで特異的に分布するゲノタイプ6に属すHCV(HCV/6)の起源、生態、遺伝的多様性、感染拡大様式、病態・治療抵抗性、病原性を解明することである。また併せて、東南アジア地域で今問題となっている緊急性の高い感染症の実態を調査することを目的とする。この目的達成のため、今年度はその実態が不明であるカンボジアにおけるHCVの疫学調査を分子疫学的に実施した。調査したのは、カンボジアの首都プノンペン市内およびその近辺に在住するカンボジア人172例(供血者および肝疾患患者)である。HCVのNS5B領域をPCRで増幅した後、塩基配列を決定し、HCVシークエンスのデータベースサイトでゲノタイプを決定した。その結果は、1a/2.3%、1b/39.5%、2a/2.9%、6a/2.9%、6c/1.7%、6e/30.8%、6f/12.8%であった。カンボジアにおいても隣国のベトナムと同様に、ゲノタイプ6に属すHCV変異株が広く流行している実態を初めて明らかにした。今後は同国に流行するHCV/6の全長遺伝子決定後、周辺国に流行するHCV/6との遺伝的関連を詳しく比較解析し、その起源を探る。カンボジアにおける肝疾患、特に肝癌発生とHCVの関連を現在検討中である。
このHCVに関する研究に加えて、今東南アジアで流行し、エマージング疾患として重要である感染症も併せて調査した。昨年ベトナムでは風疹が大流行したため、その分子疫学的特徴を解析した。その結果は、ゲノタイプ2Bの風疹ウイルスが流行していることを明らかにした。また、先天性風疹症候群を示す胎児・新生児20例全例からウイルスが分離できた。ベトナムにおける風疹の制圧は、緊急の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地の多くの関係者の方々の協力が得られたために、ほぼ順調に研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

ベトナムとカンボジア地域におけるHCVの分子疫学的特徴について、さらに症例数を増やして詳細に検討したい。また臨床所見、特に肝癌との関連について、病理学的に解析を加えたい。

次年度の研究費の使用計画

3月~4月にかけての海外旅費分が、次年度決済となったのが理由です。
次年度分の海外での調査研究のための旅費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Eight novel hepatitis C virus genomes reveal the changing taxonomic structure of genotype 6.2013

    • 著者名/発表者名
      Wang H, Yuan Z, Barnes E, Yuan M, Li C, Fu Y, Xia X, Li G, Newton P, Vongsouvath M, Klenerman P, Pybus OG, Murphy D, Abe K, Lu L.
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 94 ページ: 76-80

    • DOI

      10.1099/vir.0.047506-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The response to interferon is influenced by hepatitis B virus genotype in vitro and in vivo.2013

    • 著者名/発表者名
      Zhang Y, Wu Y, Ye S, Wang T, Zhao R, Chen F, Abe K, Jin X.
    • 雑誌名

      Virus Research

      巻: 171 ページ: 65-70

    • DOI

      10.1016/j.virusres.2012.10.027

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rubella epidemic in Vietnam: characteristic of rubella virus genes from pregnant women and their fetuses/newborns with congenital rubella syndrome.2013

    • 著者名/発表者名
      Van Hung Pham, Thong Van Nguyen, Truc Thanh Thi Nguyen, Linh Duy Dang, Ngoc Hieu Hoang, Truong Van Nguyen, Kenji Abe.
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Virology

      巻: 57 ページ: 152-156

    • DOI

      10.1016/j.jcv.2013.02.008

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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