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2013 年度 実績報告書

西アフリカにまん延する風土病制御に向けた国際共同調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 25305008
研究種目

基盤研究(B)

応募区分海外学術
研究機関岡山大学

研究代表者

金 惠淑  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70314664)

研究分担者 加藤 宣之  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40150883)
土居 弘幸  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20452568)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード風土病 / リーシュマニア症 / マラリア / 疫学調査
研究概要

1. ガーナ大学を拠点として野口研究所、及び寄生虫学Boakye教授の協力のもと、ガーナにおける疫学調査を行い、リーシュマニア症、マラリア、及びC型肝炎(HCV)のサンプルの採取と罹患に関する調査を行った。また、ガーナ大学と岡山大学間の試料の提供に関わるMTA (Material Transfer Agreement) の草案を作成した。ガーナ大学の場合、大学のみならず厚労省に該当する政府の関係者も契約書に含まれるため、現在、契約のための調整を行っている。
2.上記の理由により、現地研究者と密接に連絡を取り、解析に必要なリーシュマニア症患者、中間宿主、サシチョウバエ由来のサンプルの採取を行った。試料の採取に当たり、個人情報に関わる内容は全てガーナ大学の規定に基づいて行った。また、in vitro で薬効解析が出来る評価系を構築し、既知薬剤を用いてリーシュマニア原虫が濃度依存的に阻害される予備的結果を得た。
2. マラリア患者血液から、それぞれ原虫DNAを抽出して試料を集めた。MTA 契約後に原虫種の同定と薬剤耐性有無を迅速に解析するため、PCR 解析の条件、種々の原虫遺伝子配列に基づいたプライマーの設計、データベースの探索と配列比較、遺伝子の新規変異有無の予測等、フィールドサンプルに対応できる遺伝子解析の条件検討を行った。
3. HCV解析をするための条件検討を行った。H25年度は現地の研究者と協議しながら陽性と思われる試料の採取を行った。陽性の検体についてNS4の領域に対する血清型を判定するための実験条件を決めた。詳細な遺伝子型を同定するために 5’-noncoding region (5’NC)、 NS3、NS5領域のRNAP等、これら遺伝子配列の相違を解析することが出来る実験条件を決定した。フィールサンプルが届き次第、解析に着手する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究に使用する実験試料の提供に関するMTA (material Transfer Agreement) の手続き中のため、契約に至っていない。そのため、研究の達成度をやや遅れとした。しかし、フィールドサンプルの解析を行うための条件検討と薬効評価法の改良を行い、in vitro での評価法を構築することができたので,研究全体の遅れはない。H26年度はMTAのもとでフィールサンプルの解析と現地調査を行うことで研究の遅れを取り戻す予定である。

今後の研究の推進方策

1. ガーナ大学の研究協力者と協力して現地でまん延するリーシュマニア原虫の種別判定をPCR, ELISAの病原体同定法を駆使して行う。地域別に同定した原虫種をリンクさせ、現地で流行しているリーシュマニア原虫の分布図を作成する。また、電球を用いてサシチョウバエを収集し、体内からリーシュマニア原虫を回収して種の鑑別を行う。
また、H25年度に構築したリーシュマニア原虫に対する薬効評価系を用い、新規阻害剤の評価を行う。天然資源、及び有機合成品等の提供を現地から受けて実施する。
2. H25年度に採集したサンプルについても上記1と同様の方法で解析する。また、マラリアについてはマラリア陽性と判定したサンプルについてPCRによる変異遺伝子(Pfmdr, pfcrt, pfdhp等)の有無と新規変異有無について解析する。
3. HCVはその遺伝子に多くの変異を起こすことを予備の実験、及び現地の協力者との協議で判ったので、既に採集した現地ののHCV 試料を用いてガーナにまん延しているHCV遺伝子型を特定する。前年度にガーナのフィールド試料を用いた遺伝子解析のための最適の解析条件を見出したので、この方法を用いてHCV RNAよりcDNAを作製し遺伝子型を同定する。この結果をもとに2003年以降遺伝子型の分布に変化が無いかを確認する。また、得られたデータを基にガーナ・ボルタ州を含む流行地域のHCV遺伝子型の分布図を作成し、既知の報告資料との相違を予測する。

次年度の研究費の使用計画

ガーナ大学と岡山大学間のMTAの契約が完了していないため、現地のフィールドサンプルの解析のために必要な費用を次年度の解析費用として残した。
H26年度にMTAの契約を終了し、既にフィールドで採取したサンプルの解析を行う。また、H26年度予定の採集サンプルも予定通りに採集し、一緒に解析を行うことでH25年度の残予算を有効活用する計画である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Molecular dynamics and energetic perceptions of substrate recognition by thymidylate kinase2014

    • 著者名/発表者名
      Kandeel, M., Noguchia, Y., Oh-Hashic, K., Kim, H.-S. and Kitade, Y
    • 雑誌名

      J. Thermal Analysis and Calorimetry

      巻: 115 ページ: 2089-2097

    • DOI

      10.1007/s10973-013-3319-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] New preclinical antimalarial drugs potently inhibit hepatitis C virus genotype 1b RNA replication2013

    • 著者名/発表者名
      Ueda, Y., Takeda, M., Mori, K., Dansako, H., Wakita, T., Kim, H.-S., Sato, A., Wataya, Y., Ikeda, M. and Kato, N.
    • 雑誌名

      PLosOne,

      巻: 8 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Applications of triphenylpyrylium salt-sensitized electron transfer photo-oxygenation reactions to the synthesis of benzo-fused 1,4-diaryl-2,3- dioxabicyclo[2.2.2]octanes as new antimalarial cyclic peroxides.2013

    • 著者名/発表者名
      Kamata, M., Hagiwara, J., Hokari,T., Suzuki,C., Fujino,R., Kobayashi,S., Kim,H.-S. and Wataya, Y
    • 雑誌名

      Research on Chemical Intermediate

      巻: 39 ページ: 127-137

    • 査読あり
  • [学会発表] 非経口型抗マラリア薬の開発研究2014

    • 著者名/発表者名
      金 惠淑、中村由香、河本理沙、片本茜、佐藤聡、檜垣和孝、黒崎勇二、綿矢有佑
    • 学会等名
      日本薬学会134年会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      20140328-20140330
  • [学会発表] 非経口型抗マラリア薬の開発現況2014

    • 著者名/発表者名
      金 惠淑、中村由香、河本理沙、片本茜、佐藤聡、綿矢有佑、檜垣和孝、黒崎勇二
    • 学会等名
      第83回日本寄生虫学会大会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      20140327-20140328
  • [学会発表] 経皮吸収型抗マラリア薬の開発研究2013

    • 著者名/発表者名
      中村 由香、片本 茜、佐藤 聡、檜垣 和孝、綿矢 有佑、金 惠淑
    • 学会等名
      第69回日本寄生虫学会西日本支部大会
    • 発表場所
      香川
    • 年月日
      20131019-20131020
  • [学会発表] New Candidates as Anti-Malarial Drugs2013

    • 著者名/発表者名
      Hye-Sook Kim, Masayuki Morita, Akane Katamoto, Hiroki Watanabe, Akira Sato, Kazutaka Higaki, and Yusuke Wataya
    • 学会等名
      FORUM CHEJU 16
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20130830-20130901

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公開日: 2015-05-28  

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