研究課題/領域番号 |
25305011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
杉山 広 国立感染症研究所, その他部局等, 室長 (00145822)
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研究分担者 |
熊澤 秀雄 高知大学, 医歯学系, 助教 (70127942)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / エクアドル / Amphimerus / Paragonimus / 肝吸虫 / 肺吸虫 |
研究概要 |
エクアドルにおける人体寄生性肝吸虫Amphimerus sp.の既知流行地であるエスメラルダス県・カヤパス川流域で,2013年7月に研究分担者が研究協力者と共に現地調査を実施した.少数民族 (チャチ族)の居住地区4箇所を選抜し,住民(総計300人)から糞便の提供を受けて、肝吸虫卵の検出を試みた.その結果,肝吸虫の寄生率は24.0%(地区別の寄生率は15.5~34.1%)で,新たな陽性地区も見付かった.感染者と同居するイヌ(31頭)およびネコ(14頭)の糞便を検査したところ,イヌ12頭(39%)およびネコ10頭(71%)から本虫卵が検出された.本虫が人獣共通の寄生蠕虫であることが証明された.感染源となる淡水魚(第2中間宿主)を特定するために,患者が喫食する淡水魚を聞き出し,19種類の魚を入手した.筋肉の人工消化で12種類の吸虫メタセルカリアが検出されたので,形態観察の後,塩基配列を解読した(リボソームDNAのITS2領域).しかし肝吸虫Amphimerus sp.と同定できるメタセルカリアは未だ得られておらず,感染源調査は継続することになった.2013年8~9月には,アマゾン川上流のスクンビオ州で,肺吸虫の現地調査を実施した.淡水産のカニTrichodactylus faxoniから,人体寄生性の肺吸虫であるメキシコ肺吸虫Paragonimus mexicanusのメタセルカリアを検出したので,日本でネコを用いた感染試験を実施中である.また,エクアドルの淡水産カニに関する論文およびエクアドルの肺吸虫(症)に関する総説論文を作成し,前者は掲載済みで,後者は審査中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染者が喫食する淡水魚の種類が極めて多く,検査がまだ行き届いておらず,肝吸虫Amphimerus sp.と同定できるメタセルカリアは未だ得られていない.
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今後の研究の推進方策 |
肝吸虫Amphimerus sp.と同定できるメタセルカリアは未だ得られておらず,感染源調査を継続する.メキシコ肺吸虫に関しては予定通りの作業を進める.
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