研究課題
当初計画に従い、ケニア、ベトナム、フィリピン、加えて日本国内においてヒト、媒介蚊等の検体採取を実施した。得られた検体はデングウイルス等の既知の病原ウイルスについて、血清診断法、遺伝子増幅法等の手法により検査を実施した。陰性のサンプルについてはヒトスジシマカ培養細胞(C6/36)やサル細胞(LLC-MK2、SLAMノックインVero細胞)および、複数のヒト単核球系細胞に接種して1週間培養し細胞変性(CPE)を指標にしてウイルス分離の有無を確認した。細胞変性が確認された培養液は再度培養細胞に接種してCPEを確認できた場合に分離株として保存するとともに、一部サンプルは細胞培養液上清を濃縮して核酸を精製し、蛋白分画と合わせて長崎大学熱帯医学研究所に搬送しその後の解析を実施した。蛋白分画は日立社製のnLC/MS(質量分析計)にてアミノ酸配列情報を取得し、核酸分画はロッシュ社製の高性能シークエンサーにて解析し遺伝子配列の情報を取得しそれぞれマスコット解析とBLAST解析にて当初想定外ではあるが既知の、ナムディンウイルス、チクングニアウイルス、蚊フラビウイルスの分離が確認された。しかし、既存のデータベースでヒットしないアミノ酸配列と遺伝子配列は別途保存し、本プロジェクトで開発しているプロテオミクスとゲノミクスの未知配列データを比較解析する手法での未知ウイルス配列(塩基配列、残基配列)の検出プログラムを用いて新規ウイルスの可能性のある遺伝子配列とアミノ酸配列を抽出し、その情報からPCRのプライマーを合成して、元のサンプル中に標的遺伝が存在するか否かを確認したのち、ジーンウオーキングにより2つの新規ウイルスゲノムの配列を確認した。さらにこれらのウイルスを検知するための高感度リアルタイムPCRとLAMP法を確立した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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