研究課題
基盤研究(B)
中国南部ではEpstein-Barrウィルス(EBV)感染が関与する上咽頭癌の発生率が世界で最も高く、重大な健康問題となっている。近年、香港では死亡率の減少がみられる一方、広東省や広西省の地域では依然高い死亡率が続いている。我々はこれまでの研究により、いくつかの遺伝子のメチル化が上咽頭癌の発生・進展に関与することが明らかとしてきた。しかし、いずれの遺伝子(群)が重要であるのかは包括的なメチル化異常の検出をする必要がある。インフォームド・コンセントの得られた上咽頭癌患者および非癌患者の生検組織よりDNAを抽出し、メチル化DNAを濃縮し、次世代シークエンサーを用いてゲノムワイド解析を行い上咽頭癌検出に有用な遺伝子を探索している(第84回日本衛生学会学術総会にて発表予定、岡山、2014年5月)。また、microRNAの上咽頭癌発症への関与とその標的となる遺伝子について検討している(第72回日本癌学会総会にて発表、横浜、2013年10月)。発現変動のみられたmicroRNAのinhibitorあるいはmimicをヒト上咽頭癌培養細胞にトランスフェクションし、標的遺伝子への効果を解析している。血液試料を用いバイオマーカー候補を現在探索中である。また、上咽頭癌間質におけるalpha-smooth muscle actin陽性細胞・血管内皮前駆細胞とサイトカインの関連性を検討し、血管新生機構について明らかにした(BioMed Res. Int. 2014 (in press)、第84回日本衛生学会学術総会にて発表予定、岡山、2014年5月)。
2: おおむね順調に進展している
上咽頭癌の発症・進展を早期に検出できるバイオマーカーを探索するために、ゲノム・エピゲノムの変化を解析し、発がん機構に基づくスクリーニング方法を検討中である。血管新生はがんの増殖や転移に重要な役割を果たし、その機構の解明はがん進展を予知できるバイオマーカー探索の基礎となる知見であり、原著論文として国際学術雑誌に発表した。さらに現在、microRNAに関する論文を作成中である。したがって、おおむね順調に研究計画は進展していると考える。
当初の計画に従い、研究を推進する予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 1件)
BioMed Research International
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