研究課題/領域番号 |
25305020
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
村田 真理子 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10171141)
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研究分担者 |
及川 伸二 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10277006)
翠川 薫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20393366)
馬 寧 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (30263015)
平工 雄介 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30324510)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 癌 / DNAメチル化 / microRNA / バイオマーカー / 中国南部 |
研究実績の概要 |
中国南部ではEpstein-Barrウィルス(EBV)感染が関与する上咽頭癌の発生率が世界で最も高く、重大な健康問題となっている。我々はこれまでの研究により、いくつかの遺伝子のメチル化が上咽頭癌の発生・進展に関与することを明らかとしてきたが、いずれの遺伝子(群)が重要であるのかはゲノムワイドメチル解析が必須である。インフォームド・コンセントの得られた上咽頭癌患者および非癌患者の生検組織よりDNAを抽出し、メチル化DNAを濃縮し、次世代シークエンサーを用いてゲノムワイド解析を行い、プロモーター領域の過剰メチル化遺伝子を見いだしている(第85回日本衛生学会学術総会にて発表、和歌山、2015年3月)。また、microRNAの上咽頭癌発症への関与とその標的となる遺伝子に関し、発現変動のみられたmicroRNAのinhibitorあるいはmimicをヒト上咽頭癌培養細胞にトランスフェクションし、標的遺伝子への効果を解析した。上咽頭癌培養細胞にmimicをトランスフェクションすることにより、細胞増殖・遊走の抑制およびアポトーシスの誘導が得られた。さらにmicroRNA mimicのトランスフェクションにより、標的遺伝子が抑制されることをmRNAおよびタンパクの両者で確認している。現在、トランスフェクション細胞をヌードマウス皮下に移植し、腫瘍形成能への影響を検討中であり、論文作成中である。上咽頭癌組織で有意な低下がみられたmicroRNAは血液中でも低下しており、バイオマーカー候補となる可能性が示唆された。また、上咽頭癌患者とハイリスクおよび健常者の血清中のEBV DNA量を測定し、上記のバイオマーカー候補と組み合わせたスクリーニング法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上咽頭癌の発症・進展を早期に検出できるバイオマーカーを探索するために、ゲノム・エピゲノムの変化を解析し、発がん機構に基づくスクリーニング方法を検討中である。現在、microRNAに関する論文を作成中である。また、上咽頭癌発症における幹細胞の関与について検討し、がん幹細胞マーカーとなる分子を見いだしている(第85回日本衛生学会学術総会にて発表、和歌山、2015年3月)。したがって、おおむね順調に研究計画は進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に従い、研究を推進する予定である。
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