食道がん・噴門部胃がん多発地域(磁県;n=7)及び低発地域(石家荘; n=8)の食道がんの手術検体(非癌部)から抽出したDNAを用いて、アダクトーム解析を行なった結果、高発地域に特徴的である付加体のうちの一つがTHP-dGであることが推測された。この付加体はN-ニトロソピペリジン(NPIP)由来の付加体であり、ラットに食道癌及び肝臓がんを誘発することが報告されている。NPIPの食道癌発症との関係を調べるため、THP-dGの分析を行なった結果、両地域住民からTHP-dG付加体が検出されたが、その陽性頻度及び曝露レベルともに高発地域住民で高い傾向があることがわかった。
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