研究課題/領域番号 |
25305029
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀尾 勝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20273633)
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研究分担者 |
安田 宜成 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60432259)
高原 史郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70179547)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | GFR推算式 / アジア人 / シスタチンC / 国際情報交換(韓国、タイ、インド、台湾) |
研究実績の概要 |
インドの研究協力者によりインド人のGFR測定をイヌリンクリアランスにより実施し、同時に血清、尿のサンプルは凍結保存を行った。サンプルは凍結状態で日本の検査会社に郵送し、測定結果が得られたのち解析を行う予定である。韓国の共同研究者より得た韓国人277人の実測GFR値を用いて、推算GFRの正確度などの解析を行った。実測CcrはGFRに比較し高く、GFRへの換算には0.648(95%CI:0.627-0.669)の係数補正が必要である。血清Crによる日本人の式(eGFRcr)、MDRD式、CKD-EPIcr式を用いて、推算式のbias(eGFR - mGFR)、正確度(P30)を評価した。Biasはそれぞれ、-4.1±20.0、10.2±22.2、10.2±19.9ml/min/1.73m2であり欧米人を対象として作成された式では高く推算された。各推算式の正確度(95%CI)は73(67-78)%、60(54-65)%、57(51-63)%であり、MDRD式、CKD-EPIcr式の正確度は日本の式に比較し、有意に低い(p<0.001)。血清Cystatin Cによる日本人の式(eGFRcys)、CKD-EPIcys式を用いた場合はbiasはそれぞれ、3.7±19.8、5.4±19.1ml/min/1.73m2、正確度(95%CI)は67(61-72)%、66(61-72)%と両推算式で同等の結果であった。韓国人の一部症例を用いた解析結果を論文として報告した(Kim BS et al.Clin Nephrol. 84:331-338, 2015)。台湾の共同研究者より得た台湾人273人の実測GFR値を用いた解析では、血清Crによる日本人の式(eGFRcr)、MDRD式、CKD-EPIcr式のBiasはそれぞれ、-10.3±15.9、2.5±17.9、3.8±16.1ml/min/1.73m2であり欧米人を対象として作成された式の成績は良好であった。血清Cystatin Cによる日本人の式(eGFRcys)、CKD-EPIcys式を用いた場合はbiasはそれぞれ、-0.4±15.4、0.8±15.5ml/min/1.73m2で同等の結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インドの共同研究者と検体輸送の打ち合わせを行った結果、インドでの必要な書類の準備や、凍結状態での輸送経路の確保など、当初予定した時期に検体輸送ができないことが判明し、7か月の遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
インドの検体輸送の経路確保と輸送に必要なインドでの書類が準備出来次第、検体輸送を行い、日本の検査会社でイヌリン、血清Cr、シスタチンCなどの測定を行い、実測GFRの評価、推算GFRの正確度の解析などを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
インドの共同研究者と検体輸送の打ち合わせを行った結果、インドでの必要な書類の準備や、凍結状態での輸送経路の確保など、当初予定した時期に検体輸送ができないことが判明し、7か月の遅延が生じた。郵送費、検体測定費用を次年度に使用額として確保した。
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次年度使用額の使用計画 |
インドの検体輸送の経路確保と輸送に必要なインドでの書類が準備出来次第、検体輸送を行い、日本の検査会社でイヌリン、血清Cr、シスタチンCなどの測定を行い、実測GFRの評価、推算GFRの正確度の解析などを行う。
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