研究課題
本研究では、紀伊半島とグアム島のALS/PDC の発症原因として、両地域に共通する環境要因と遺伝要因を明らかにするために、両地域の50年以上におよぶ研究成果および試料を元に、全ゲノム解析を含めた最新の研究手法を用いて検討する。29年度の成果としては、①患者レジストリ:現在、約250名の紀伊半島多発地区患者を登録し、さらに現在闘病中の患者40数例について追跡中である。自然史の解明に向けて項目別データを抽出している。②Dr. Carlos Ramel 訪問:2017年9月にグアムで唯一の neurologist で、ALS/PDC の診療にあたっている Dr. Carlos Ramel を訪問し、情報の共有と意見交換を行った。昨年に引き続きここ10年ほどはALSの新規患者は認められないこと、PDC 患者は引き続き発症者が存在すること、高齢発症の認知症症例が増加していること、などが判明した。③紀伊ALS/PDC診療マニュアル作製:医療者向けの診療マニュアルを作製中である。④グアム島と紀伊半島のALS/PDC に共通する疫学像および臨床像の変化ならびに生活環境の変化に関する両地域の過去の研究資料の収集を引き続き行った。⑤遺伝子解析:紀伊患者由来遺伝子バンク検体を用いてC9orf72遺伝子以外のGGGGCC異常伸張について検討したが、リピートの伸張は認めなかった。⑥紀伊ALS/PDC のホームページ:随時、更新し研究成果の公表を行った。⑦ソテツや藍藻由来の神経毒(BMAA)の患者脳内での蓄積の有無について、質量分析器を用いた解析を行った。⑧三重県南部の新たなALS多発地について患者の診察を行った。⑨論文作成:神経毒 BMAA、小脳病理、OPTN病理、ニトロ化ストレス、に関する論文が国際誌に採択された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 7件) 備考 (1件)
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